「花物語」などを鑑賞
8月19、20日と恒例の「レイバーネット夏期合宿」があった。途中出入りを入れて25人の参加。7月のレイバー映画祭で知った人、上映する映画「花物語」に関心がある人など、初めての方もちらほら。例年通り合宿所の部屋の前には、田んぼが色づきはじめていたが、裏の川は、心なしか手入れが……とちょっと気になった。SCATセミナールーム「毛呂分室」の館長の金野正晴さんが、変わらずにこやかに迎えてくださる。以下、ざっと内容を紹介する。
1「立ち上がるフランス大衆」
一日目の午後2時から、パリの市民運動をリアルに見てきた土田修さんが動画など駆使しての解説。なんとメランションが先頭になって歌を歌いながらのデモの様子はちょっとよかった。話は、マクロンの強権による市民の暴動の激化で、フランスの行政に詳しくない私には難しかったけど、フランス革命の歴史を持つ市民だけあって、強権に屈しない人々(若者も多い)に希望を見た。
2「戦争トラウマ」
最近の新聞やテレビ番組で取り上げられた戦争帰りの方のPTSDを取り上げる。復員兵の方のズタズタにされた心の傷の深さに、国として公にすることなく、放置に近い状況に置かれてきた元兵士の心の傷を映像と新聞記事で学ぶ。ベトナム帰還兵の「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」がニュースになった時、日本の兵士はどうだったのだろうと話題にならないことを不思議に思ったこと、子どもの頃、突然怒りだす男の人を思い出して、この病にかかっていたのだと納得したことを思い出した。堀切さとみさんが解説した。
3 恒例BQ大会
夜は、お楽しみバーベキュー。今年も鵜沼久江さんの心遣いとご尽力で美味しい牛肉が、たっぷり提供された。もちろん野菜も彼女の畑からの差し入れがほとんど!
みんなで情報交換をしながらの会食。希望者は近くの温泉に行く。就寝時間を決めないここでは、徹夜組もいて、朝5時まで話し声が絶えなかった。
4 川柳大会 お題は「酷暑」「汚染水」
2日目は、朝食後に恒例川柳コーナーから始まる。「豪華粗品」を狙って、投句が集まった。初参加、初作句の方が入選するのも恒例の風景。入選作は以下の通り。選者=乱鬼龍さん。
・入選7句(猛暑)
猛暑日に原爆の図がよみがえる(森)
じりじりと破滅に向かう温暖化(根岸)
猛暑酷暑次は殺暑がやってくる(一志)
強欲が地球を熱し酷暑かな(篠木)
この暑さ十年後には平温に(山根)
台所水道管が給湯器(ななみ)
敗けいくさの日 草にも敗けて昼寝する(大野)
・入選7句(汚染水)
水銀の毒を忘れるニッポン病(森)
汚染水流れる先は永田町(篠木)
くじらさんどこに逃げようイルカ聞く(かぼす)
汚染水薄めりゃ流せる無限大(山根)
汚染水トリチウムだけを報道し(ななみ)
処理水で処理するつもりこの国は(祐民)
汚染水エックス年後も続きます(一志)
5 秘蔵フィルムの上映「花物語」
「花物語」は、戦争末期に出た「花の栽培禁止令」をテーマにした房総の花どころの劇映画(原作:田宮虎彦「花」)。監督は堀川弘通。「新たな戦前」と言われる今、人々の食と花、どちらが大事かと迫って来る。戦場場面は全くない、銃後の生活が浮き彫りにされる。この映像は甲斐淳二さんが探し出してくださったもの。有料公開上映は出来ないが、リメイクして誰でも見られるようになってほしい。甲斐淳二さんが解説してくれた。
5 TVドキュメンタリー「双葉に暮らす~故郷をつなぐ在日コリアン建築士」を見る
福島の問題は、多角的に語らねば、全体は見えてこない。避難している人たち、新たに移住してくる人たち、汚染水の海洋投棄。私たちも長期の尺で、このことを我がこととしていきたいと思う。
さて、来年の合宿は、どうなるのか? 心地よいを少し通り越した疲れを抱えつつ帰宅した。