2月18日(土)、第46回ブッククラブ読書会が開かれました。取り上げた本は『イスラエル軍元兵士が語る非戦論』(ダニーネフセタイ著、永尾俊彦構成、集英社新書)。参加者は11人でした。そのうち2人はビデオプレス事務所での参加でした。著者のネフセタイさんは本書発行後、各地でトークイベントを展開していて、それに参加された方もいました。

いまガザではジェノサイドと呼ぶほかない事態が進行しています。その渦中での読書会でしたので、討論は、おのずとそれに関わるものにもなりました。

本書のはじめに、イスラエル国内の学校教育の実情が紹介されています。軍隊への憧れを養い、「国のために死ぬのはすばらしい」と言う感情を培う「平和教育」と聞くと、日本はそれとかけ離れた現状だとは言い切れないとの意見が多くありました。本書は空軍兵士であり、若い時代をイスラエルで過ごした著者の体験が踏まえられているので具体的で、説得力がある。大戦中のホロコーストからイスラエル建国、そして現在に至る歴史過程も、本書は的確にまとめていて、わかりやすい。イスラエルの戦争を肯定する立場から、非戦を主張する考えへと、著者はどのように自己変革したか。本書は、その記録でもあるでしょう。この本は、パレスチナ問題を考える基本の書だとの評価で一致しました。

さらにガザの現在に触れて、そしてウクライナの今にも関連して、反戦平和の意見と行動をどう広げていくか、幾つも意見がありました。戦争の危機、それに対する平和への行動を、参加者一人ひとりが、切迫した課題と捉えていることが強く伝わる討論でした。

なお次回は4月6日(土曜日)午後2時から、今回と同じくオンラインとリアルで開催します。