『コスタリカー「純粋な人生」と言い合う 平和・環境・人権の先進国』(志真秀弘)

 
 8月4日(日)、第49回ブッククラブ読書会が開かれました。取り上げた本は『コスタリカー「純粋な人生」と言い合う 平和・環境・人権の先進国』(伊藤千尋著、高文研)。参加者は全員がオンラインで10人でした。

 ブッククラブのメンバーが、5月に中米の小さな国コスタリカのツァーに参加。本の感想とともに、現地での実感溢れる話が披露された。コスタリカの人たちが「プーラ・ビーダ」(=「純粋な人生」)と声を掛け合うのはどう訳すと一番ピッタリくるか。ツアー仲間で話した。「生きてりゃいいさ」、「なんとかなるさ」、「生きてるかい?」などいろんな案が出た。読書会メンバーから「ナンクルナイサ」とか「そこそこがいい」などの案も加わった。

 一人一人の暮らしの中に、コスタリカは軍備を持たないとうたった憲法が息づいている。それは本の隅々から伝わるーそれが読書会参加者の共通した感想。大学生が大統領を違憲だと訴えて、勝利する。最高裁の中に憲法法廷が設けられていて、子供でも違憲訴訟が起こせるなどの具体例にも驚く。軍備をなくして、軍事費を平和事業・教育・環境・福祉などに投じてきたコスタリカは80年近くかけてここまでできた。

 では日本はどうか? やはり話はそこに行く。「コスタリカを知れば希望が湧いてくる」とこの本の帯に書かれている。その通りで、日本は憲法をどう一人一人の手に取り戻すか。議論はさらに活発に進んだ。

 次回の日程は、10月12日(土)で50回目の読書会となる。取り上げたい本として『未明の砦』(太田愛)、『承認をひらくー新・人権宣言』(暉峻淑子)、『自衛隊も米軍も、日本にはいらない!』(花岡しげる著、花伝社)などが上がったが、さらに案を求めます。

 また50回を記念して、参加者全員がそれぞれの「推し本」をプレゼンする案なども出されたが、年末には「映画と本で振り返る2024年」(レイバーネットTV・12/11)の企画もあるのでそれも合わせて検討することになりました。