堀切さとみ(映画祭企画担当・『バスドライバーにあこがれて』制作者)
7月27日のレイバー映画祭2024は、無事終了することが出来ました。参加された皆さん、スタッフの皆さん、暑い中(会場の中は涼しくて快適でした!)おつかれさまでした。五作品+ショートコント集。ゆったりしたプログラムで、休憩時間には会場のあちこちで、交流の輪が広がりました。
私も今回初めて労働問題がテーマの映画に挑戦しました。以前、北穂さゆりさんが『バスドライバーの憂鬱』をフェスタで上映したときも評判になったと思いますが、バスは身近な交通手段で、案内を出した知人友人のほとんどが観に来てくれました。
初めて来てくれた人の中には「孫が京成バスで働いているが、同じように精神疾患で苦しんでいる」という人もいました。また、バスやタクシーの運転士をしたことがあるという友人は「皮膚感覚で大変さが伝わった」という感想でした。
私の給食調理員時代の元同僚も二人来てくれました。二人とも精神疾患を理由に、この春に早期退職しています。理不尽さを抱えたままの退職でした。来てくれた人の顔ぶれをみても、ふつうに働くことが困難になっていることを実感するばかりです。
小会議室での二次会も30名ほどが参加。初参加者も多かったです。二時間近く、熱い討論が続きました。「今回の映画祭は『公共の崩壊と再生』がテーマだったような気がした」と誰かが言っていましたが、その通りだと思います。
『ここからー「関西生コン事件」と私たち』を観た西武バスユニオン委員長の矢口さんが「僕も関ナマ労組は<反社>だと思ってたけど、大きな誤解だった」と発言したのには、思わず笑ってしまいました。映画の力は大きいですね。
アンケートは40枚集まりました。「ビデオジャーナリズムの役割が重要だと思いました」「日本は危険な国になっていることを実感。インドの女性ジャーナリストたちには勇気をもらった」「やっと日本の労働運動にも女性の視線が入ってきたのだなと感心しました」「どの作品も切実な内容で、かつ知らないことばかりでした。知らないでは済まされないことを知ることができ、意義深い一日になりました。来年も期待しています」など。
そして「現在進行形の社会問題を追うのは大変ですが、映像の力で興味深く知ることができ、何かできないかと行動意欲もわいてきます」「いつかここで上映できそうな作品を撮りたいと思いました!」という嬉しい感想も。そんなわけでレイバー映画祭の役目は、まだまだ終わりそうにありません。また来年も、よろしくお願いします!