「花は心のご飯」戦時下の抵抗から学ぶ〜講談「房総・花物語」が大反響

 3月23日、東京・水道橋の「スペースたんぽぽ」でレイバーネット2024総会が開催されました。約30人が集まり、熱心にディスカッションが行われました。第一部は「活動報告・会計報告・運動方針」の討議でした。今年24年目を迎えたレイバーネットですが、その存在意義は大きく、「はたらくものの情報ネットワーク」として、次の10年に向けて運動方向を確認しました。レイバーネットTVの担当者からは「レイバーネットのウリは現場からの生の声」との発言がありました。レイバーネットTVのキャッチコピー「アクティブ・ラジカル・現場から」を、ますます中身のあるものとして実践していきたいです。

 第二部では、甲斐淳二さんの新作講談「房総・花物語〜戦時下で花を守った母と子」が披露されました。約40分の講談に聴衆は釘付けで、涙をぬぐう姿がありました。講談は、千葉県房総であった戦時下の実話をもとにしてます。主人公の「ハマ」は、花を愛していました。「花は食べられないが、人間の心を豊かにしてくれる『心のご飯』と言います。丹精こめて花作りをしていましたが、軍国主義が貧しい村を襲います。若い人が出征して、戦場して死んでいくなか、地元の農家には「花をつくっているのは非国民、芋をつくれ」と圧力がかかります。「球根もすべて廃棄せよ」の命令の中でも、ハマは命がけで球根を隠し、抵抗を続けました。そして、戦争が終わったときには、人々は一転して花を求めました。ハマたちの行動が評価されたのです。

 そんなお話を甲斐淳二さんは、パンパンと釈台を叩いて、体いっぱいに表現していました。聴衆もあの時代に引き込まれました。そして「これはけして過去の話ではない。日本でも平時農業から有事農業への転換が始まっている。私たちはハマたちの行動を語り継ぎ、いまの時代に活かしていきたい」と甲斐さんは結びました。大きな拍手が起きました。そして「この講談を全国に広げたい」という声が、多数寄せられました。(M)

寄せられた感想(FBより)

〔笠原眞弓〕レイバーネット総会のアトラクションは、昨年のレイバーフェスタでのアクシデントによる中止以来、懸案になっていた甲斐淳二さんの講談「房総・花物語〜戦時下で花を守った母と子」。先日国際有機農業映画祭で上映した『花物語』とも違う、甲斐さん作の素晴らしいものだった。あちこちでできるといいなぁ!

〔森健一〕全国津々浦々から、先の戦時下、花の栽培禁止など、正業、生活が規制された、例を具体的に知ることで、政府に抗う、知恵と覚悟が拡がります。カイコやコンニャク芋、桜の木も、と戦時下の異常さが伝わりました。各地で「房総・花物語」の講談会を望みます。