アーカイブ録画(80分)

 10月30日のレイバーネットTVは緊急企画として「2024総選挙、そしてその後を考える」を放送しました。司会の柴田武男さん(写真左)が、オリジナル焙煎コーヒーをふるまいスタジオはカフェの雰囲気でした。初めての人も含め、いつもよりギャラリーや事前問合せも多く、「総選挙問題」への関心の高さがうかがえました。

 ゲストは「たたかう政治学者(山口大学名誉教授)」の纐纈厚(こうけつあつし)さん(写真右)。軍事・政治・歴史など何でも詳しいだけでなく、2016年には、安倍首相の地元の参院山口選挙区で野党統一候補として出馬して「戦争法廃止」を訴えてきた人です。ですから、どんな柴田さんの問いかけにも、アクティブで歯切れのいい答えが返ってきました。そこから今の世界と日本の政治状況が見えてきます。また、なぜ「国民」が躍進し「共産」が後退したのか、等々の個別の解説も面白く「なるほど」と思うものばかりでした。

 番組でとくに取り上げたのは、裏金の影に隠れて争点にならなかった大問題「安保・軍拡」でした。社共をのぞくどの政党も軍拡・日米同盟強化の方向になっていて、今回の選挙で論議にもならず、結局「軍拡反対」の勢力を国会で増やすことができませんでした。軍拡があたりまえとされ、「非武装中立」「九条守れ」などの主張が脇に追いやられていますが、それはなぜなのか?

 こうけつさんは、具体的事例をあげて「アメリカ軍産複合体の巨大権力が世界を動かしているし、日本を動かしている。そこをしっかり押さえる必要がある」と語り、岸田政権の「今日のウクライナは明日の東アジア」というキャンペーンで日本社会の雰囲気はガラッと変わったと言います。そして「今日のウクライナは明日の東アジア」論のうそをわかりやすく暴きました。軍拡・抑止力・戦争ではなにも解決しないこと、日米同盟こそが問題であり、軍事によらない「対話」「非武装中立」がもっとも現実的な道であり、選挙でもそれを主張すべきだったと熱弁しました。

 ギャラリーは賑やかで、5人の人が「一人2分間」でマイクの前に立ち、自由に質問・意見を述べました。午後9時の放送終了直後に、「佐久総合病院」の色平哲郎さんからメールが寄せられました。「今しがた、すこし覗くことが叶いました。2分間、アピールがすばらしい、すばらしい。こうけつさん、そして司会者もすごい」と。

 選挙報道・論評はたくさん出ていますが、今回の放送はレイバーネットTVならではの「深く斬り込んだ」番組になったと思います。また好評だった「2分間アピール」ディスカッションは今後の放送でもやっていきたいところです。なお、次回は11月13日(水)で「マイナ保険証問題」を取り上げます。(レイバーネットTVプロジェクト)