12月2日の保険証廃止が迫っています。そんななか11月13日に、レイバーネットTVで「おかしいぞ!マイナ保険証強制〜政府の魂胆を解き明かす」を放送しました。マイナカードを持っていない人には「資格確認書」が発行されますが、今後、どうなっていくのか? 多くの国民の反対を押し切って進める政府の狙いは何なのか? そんな疑問に答える番組になりました。
出演は、白石孝さんと小島美里さん。白石さんは、「現在の保険証は、毎月1回、医療機関を受診するときに提示すればよく、お年寄りには大変便利です。ところがマイナ保険証にすると、受診のたびに持っていかねばならず、その上、オンラインのカードリーダーでの顔認証もしくは暗証番号入力による本人確認作業が必要です。認知症の高齢者や知的障害者の人にとって、暗証番号を覚えることは容易ではありません。便利な保険証を廃止して、マイナ保険証に一本化するのは、誰が考えてもおかしい」と語ります。
高齢者・障がい者の支援事業をしている小島美里さんは、「超高齢社会 マイナ保険証は困ります!」と訴えました。「現在高齢化率は約30%だが、どんどん伸びて37%までになる。37%とは、65歳以上が10人に4人の国になるということ。こういう状況を踏まえた政策をとってほしい。私が言いたいのはその一点です」。そして現場からの声を紹介した。「マイナカードを自分で5年前につくった人で、その後認知症が進み暗証番号を忘れ、更新の手続きができないかもしれない」というケース。「カードを作るための写真を撮ったが、寝たきりのベッド上、シーツのしわが映り込んでいた事を理由に撮り直しをさせられた」ケースなど、現場の苦労はたえない。小島さんは「現在、認知症は予備軍を入れると1000万人と推定されている。超高齢社会とは認知症社会なのです。こういう実態をどうするかが一番大事で、マイナ保険証は逆行しています」と憤りを隠さなかった。
なぜ政府はこの施策を強行するのか? 白石さんは「利権の問題が大きい。マイナ読み取り機も特別の業者が請け負っている。また国が自治体に統一のシステムを押しつけているが、これも大手の業者に委託されている。当然、キックバックの問題もある」と。また白石さんは、マイナカードの将来像として「マイナカードを全員が持つ“国家身分証・ID”にして、監視社会化・警察国家化を進めていくのではないか」と指摘した。マイナ保険証押しつけに反対する声を大きいが、いっそう広げていきたいものだ。(M)