アーカイブ録画(100分)

 4月9日のレイバーネットTVは、「令和の百姓一揆」を特集した。タイトルは<むらの貧困とまちの貧困をつなぐー「令和の百姓一揆」を世直しに>で、6人の出演者と多数のギャラリー参加で、スタジオは盛り上がった。3月30日の「百姓一揆」の熱気がそのまま引き継がれたようだった。メインゲストは、「令和の百姓一揆」実行委員会代表の菅野芳秀さん(写真上)。山形県からわざわざ上京しての出演で、いつもより放送時間を延ばして、たっぷり思いを語ってもらった。

 開口一番、菅野さんは「私は75歳だが若手のホープです。80台の現役農家も多い。これが現実です。農家は絶滅危惧種といわれ、経済的に抑圧されてきた。もう、怒りを通り越して悲しみが増大していたが、ぶつけるところがなかった。今回の百姓一揆でやっと怒りをぶつけ、声を上げることができた。だから、やるぞ!という感じで、みんな喜びをもってこぶしを上げた。とても生き生きとしていた。農民も消費者も手作りのプラカードを掲げ、自己表現をしていた。一番うれしかったのは、私たち農民が孤立していないことを確認できたこと。本当にみんなから勇気と力をいただいた」と熱く語った。

 話は続く。トラクターデモの成功には苦労もあったという。「トラクターは高速や国道を走れない。だから台車に積んで運んだ。1台あたり30万円かかった。駐車スペースの関係で31台にしぼったが、沖縄や山形からも参加したいという申し出があった」。メディアの反響は?の質問に「本当に多くのメディアが報道してくれた。日刊ゲンダイはこんなに大きかった(現物を示す)。海外ではエコノミスト、ニューヨークタイムス。ほとんどのメディアが報道したが、不思議なことにNHKはいっさい報道しなかった。一番感じたのは、SNSの反応が凄まじかったこと。たくさんのYouTubeで映像が流れた。こうした報道や反響の大きさに、われわれは本当に勇気づけられた」と。

 出演者からは「百姓一揆」の感想・コメントが続いた。トラクターデモの3分映像を制作した堀切さとみさん、農業ジャーナリストの大野和興さん、反貧困ネットワークで農民支援をしている瀬戸大作さん・学生の加藤美和さん、そして労働組合と女性問題に取り組む中島由美子さんが、それぞれの視点から自由に発言した。番組の後半では、菅野さんを中心に「丁々発止」のディスカッションが広がった。「百姓一揆」の意義や今後の課題をはじめ話題は多岐にわったが、そんな中から「希望」が見えてくる充実した番組になった。ぜひ多くの人にアーカイブを見てほしい。(M)