〔アリの一言〕

高市早苗首相が決めた消費税減税(飲食料品の消費税率を2027年度から2年間限定で8%から1%に引き下げる)に対し、自民党内からも「異論」が噴出しています。最大の理由は、減税によって生じる年間5兆円の穴をどうやって埋めるのか財源対策が不明確なことです。
高市首相は7月30日の記者会見で財源対策として「税収動向」「租税特別措置見直し」などいくつか並べましたがいずれも不明確なものばかりでした。そのため「減税がかえって国民を苦しめることになりかねない」(7月31日付京都新聞社説)などという論調すら出ています。
しかし、逆累進税の典型である消費税は本来廃止すべきであり、たとえ2年間でも飲食料品の税率が1%に下がることは否定すべきではないと考えます。では財源はどうするか。
借金しない(公債依存度を上げない)で収入を減らす(消費税減税する)なら、支出(歳出)を減らすしかありません。ところが高市首相は逆に「強い日本」を標榜し政府による投資(歳出)を大幅に増やそうとしています。矛盾が深まるのは当然です。
結論は明白です。消費税減税は行うべきです。その財源は不要経費の歳出を削減する以外にありません。年間5兆円もの不要経費があるのか? あります。軍事費(防衛予算)です。今年度の軍事費は過去最大の9兆353億円です。これを55%削減するだけで5兆円の財源が生まれます。
軍事費の急膨張は戦争法(安保法制)の強行によって敵基地攻撃能力を含む兵器増強に歯止めがかからなくなったことが大きな要因です。
例えばトマホーク。7月29日に海上自衛隊のイージス護衛艦「ちょうかい」がアメリカ製巡航ミサイル・トマホークの実射実験を初めて行いました(写真)。「トマホークは射程が1600キロあり、日本では初めての遠方から敵基地や艦艇を攻撃できる「スタンド・オフ防衛力」となる」(30日付朝日新聞デジタル)。そのトマホークは、「25年度から取得を始めており、28年3月までに400発を米国から取得する予定で、1694億円を予算計上」(同)しています。敵基地攻撃のためのトマホークだけでも400発、1694億円(1発当たり4億円超)。とんでもないことです。
「安保3文書」では軍事費を「2027年度までにGDP比2%水準」にし「5年間で計43兆円」としました。高市政権は今年中にそれを改定してさらに大幅に引き上げようとしています。先日閣議決定した「骨太の方針」では、軍事費の「GDP比3.5%」を注釈に書き込みました。それが実行されれば「年間20兆円超」の超大軍拡です(7月23日のブログ参照)。
日本世論調査会(共同通信系)が1日まとめた「平和に関する全国郵送世論調査」では、「防衛費の増額」を「支持しない」が78%にのぼりました(「現状維持」60%、「減額すべき」19%。ちなみに「増額すべき」も19%)。
軍事費ほど不要な経費はありません。不要どころか人を殺傷し地球環境を破壊する最悪の財政支出です。
減税と軍拡は両立しません。軍事費を大幅に削減し(やがてゼロに近づける)、減税へ、そして医療・介護など福祉、教育へ。それこそが「平和」と「暮らし」を両立させる道です。

