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1923年の関東大震災の混乱の最中、流言が「事実」として機能し、数千人の朝鮮人・中国人、標準とされる日本語を話せなかった地方出身者や障害者、そして社会主義者やアナキストたちが一般市民や軍、警察官たちによって虐殺された。
それは偶発的な暴走ではなく国家と自治体の黙認のもとで繰り返された集団暴力だった。
この虐殺は単なる過去の出来事ではない。むしろ現在を縛り続ける亡霊として繰り返し立ち現れる。
2016年まで歴代の東京都知事が送付してきた、虐殺された朝鮮人への追悼文の送付を、小池百合子は2017年以来取りやめた。
この沈黙は個人の判断のみならず制度的なものである。
権力は記憶を操作し、歴史を「なかったこと」にすることで暴力の再生産を可能にしてきた。
歴史修正主義とは過去を都合よく改ざんすることだけではなく、過去を忘却へと導く回路そのものだ。
ここでの不在は偶然ではない。
沈黙は機能している。
今日の社会にも同じ力学が作動している。
過去に日本が行った侵略行為や植民地支配の歴史を否定するような発言をしてきた高市早苗は、全国戦没者追悼式での式辞から「反省」という言葉を消した。
政府は40年にわたる政治の失敗の責任を参政権すら持たない外国人に転嫁。
そうして差別意識を煽られた国民へのサービスとして、理不尽なビザの厳格化などの排外主義的な政策を推し進めている。
これらは新しい現象ではなく、1923年と同じパターンの反復である。
恐怖を増幅させ、境界を固定し、排除を正当なものへと変換する回路が再生されているのだ。
社会は新しい未来を生み出すのではなく、古い暴力をリミックスし続けている。
2026年現在ガザで続いている虐殺も、植民地主義という同じループの変奏に他ならない。
だからこそ、私たちはダンスミュージックを選ぶ。
クラブカルチャーは、抑圧された者たちが「もう一つの世界」を仮設する場所として生まれた。
アフリカ系ディアスポラの人びとや、ラテンアメリカやカリブにルーツを持つ人びと、クィアやトランスジェンダーの人びとが、差別と暴力の現実を超えるために作った仮想世界のサウンドスケープである。
それは存在しなかったはずの未来を、一時的にでも提示する音響装置だった。
クラブ・ミュージックとは、未来を夢想し手繰り寄せるためのサイケデリックな降霊術なのだ。
踊ることは、権力によって奪われた声を取り戻す行為であり、沈黙に抗う身体的なアーカイブだ。
クラブのフロアは、亡霊の声が響く空間であり、別の歴史や未来を想起させる場でもある。
プロテストレイヴは、怒りと悼みの儀式であり、生命への賛歌であり、そして同時に文化批評の実践でもある。
過去を呼び戻し、現在を批判し、奪われた未来を提示する。
サウンドシステムから放たれるキックやベースは、1923年の亡霊に応答しながら、いま起きている差別と排外に抗う。
低音域による共振は、沈黙を破り、忘却に抗い、ループを断ち切る。
私たちは歴史と文化をつなぎ留めるために集まり、鳴らし、踊り続ける。
プロテスト・レイヴ『103年の共振-沈黙の上で反復する暴力に抗う-』
※レイヴ(Rave):大規模な会場や野外でDJがハウスやテクノなどの電子音楽を流す音楽イベントの形式のこと。
日時:2026年9月4日(金曜日)18:00~
場所:都庁前
〒163-8001 東京都新宿区西新宿2-8-1
都営大江戸線「都庁前駅」E1出口すぐ
JR「新宿駅」徒歩10分
アクセス→https://x.gd/bXbGO
地図→https://x.gd/clH30

