
3日起こった那覇市内での強盗殺人事件で、沖縄県警は4日、米軍普天間基地所属の海兵隊上等兵を「強盗殺人の疑いで緊急逮捕」しました。容疑者は「私は知りません」と否認しているといいます(4日付朝日新聞デジタル)。
これについて高市早苗首相は4日、自身のX(旧ツイッター)に「このように極めて残忍で凶悪な事件の発生は極めて遺憾」と投稿しました。「日本政府として米側に強く抗議するとともに、捜査への最大限の協力、米軍関係者の綱紀粛正と事件・事故の再発防止の徹底を強く求めた」とも述べています(写真左)。
高市首相だけではありません。小泉進次郎防衛相、茂木敏充外相も同様に「米側に強く抗議」しました。グラス駐日米大使も「深い遺憾の意」を表したといいます。古謝玄太沖縄県知事も同日、報道陣に「非常に憤りを感じる」と述べました。
一方、那覇市の沖縄県庁前では緊急集会が開かれ、約160が「米兵による強盗殺人事件に抗議」しました(写真右=朝日新聞デジタルより)。東京都のJR新宿駅前でも「米兵による強盗殺人を許しません」などと書かれたプラカードを持ったサイレントスタンディングがあり、100人超が集まりました(4日付朝日新聞デジタル)。
きわめて異常な経過・光景と言わねばなりません。なぜなら、逮捕された米兵はまだ「容疑者」(しかも否認している)にすぎません。それを首相はじめ政府、県知事、そして市民までもが「犯人」と断定しているからです。
事件が発生したのは3日未明。容疑者に「任意同行」を求めたのが同日午後11時半ごろ。「緊急逮捕」が4日未明。その根拠は、「防犯カメラ」です。「ホテルから出た時と服装は異なっていたが、両腕のタトゥーやスキンヘッドの姿などが防犯カメラ映像と一致した」(4日付朝日新聞デジタル)としています。
きわめて速い展開です。「防犯カメラ」による警察の逮捕が誤認だった事例は少なくありません。
事件が極めて残忍であることは言うまでもありません。しかしだからといって「容疑者」を「犯人」と断定することが許されないこととは別問題です。「推定無罪」が原則の「容疑者」を市民が、まして首相はじめ政治家が「犯人」と断定することは許されません。人権問題です。それは「容疑者」が米兵であっても誰であってももちろん同じです。
高市氏が「緊急逮捕」から数時間後にXで「抗議」したのは、在沖米軍基地に対する批判が大きくならないうちに手を打とうとしたものと思われます。
「容疑者」が「犯人」かどうかは今後の捜査・裁判で決まります。
米兵が「容疑者」として逮捕された現時点で言えること、言わねばならないことは、事件の徹底捜査・究明要求と、国土の0・6%の沖縄に在日米軍専用施設の70・3%が集中している現状がきわめて異常だということ、だからこそあらためて在沖米軍基地の縮小・撤去へ向けて日米両政府を追及することではないでしょうか。


