原子力市民委員会が今年3月11日に発表した図解レポート『見ればわかる 知れば変わる — 福島原発事故15年の現在地』の内容を皆さんと吟味するシリーズです。
今回は、福島原発事故に対する日本政府の不適切な対応(防護基準の緩和や汚染水・汚染土の扱いなど)が放射線防護の国際基準の緩和などに利用(悪用)されてしまっている経緯を描いた図解レポート第1章⑬について解説します。
CCNE連続オンライントーク 原発ゼロ社会への道 2026 第9回 利用される福島原発事故─ 国際機関の「中立的で科学的な基準」の背後にある日本政府と原発産業界の働きかけ
日 時:2026年11月12日(木)17:00~18:00
形 式:オンライン開催(Zoom)
※この企画は、Zoomのウェビナー形式で開催し、ご質問やご意見は当日の質疑応答(Q&A)もしくは、後日メール・FAXなどでも受けつけます。後日Youtubeで公開します。
プログラム:
1)「利用される福島原発事故」(図解レポート p.18)
濱岡豊さん(原子力市民委員会 福島原発事故部会、慶応義塾大学 商学部 教授)
2)質疑応答・意見交換
主 催:原子力市民委員会
問合せ:
email◎ccnejapan.com(◎を@に変えてください)
TEL. 03-6709-8083
参加申込み:下記よりお申込みください。
→https://x.gd/AC24U
今回のオンライントークについて
原子力市民委員会が今年3月11日に発表した図解レポート『見ればわかる 知れば変わる — 福島原発事故15年の現在地』の内容を皆さんと吟味するシリーズの7回目となります。
東京電力福島第一原発事故がもたらした様々な異常事態(強制避難指示、膨大な量の放射能汚染物への対処、健康影響、食品汚染、長期にわたる被ばく作業など)においては、事故前にはなかった新たな基準が政府によって次々と設定されて、規制や管理がされています。
帰還困難区域の避難解除の基準とされる年間20mSv、放射性汚染物の処理の基準となる8,000Bq/kgなど、事故前にあった法的基準を大幅に緩和してしまったものもあります。
正確に言えば、法的基準(年間1mSv、100Bq/kgなど)が改正されたわけではなく、事故処理を進めるための暫定基準とのダブルスタンダード状態になってしまったわけです。
日本政府は、事故後の日本の新たな基準が国際的な標準に即した科学的なものであると主張し、IAEA(国際原子力機関)、ICRP(国際放射線防護委員会)、UNSCEAR(原子放射線の影響に関する国連科学委員会)といった国際組織による 〝お墨付き〟 を強調します。
しかし、これらの国際機関に対しては、日本政府や原子力関連企業が、資金および人的な影響を与えています。
これら組織で重複して委員となっている者もおり、独立とは言えません。
IAEAはもともと原子力の「平和利用」の推進機関であり、UNSCEARとICRPも原子力の活用に資するための検討や勧告をおこなう組織で、決して「中立的」な存在ではありません。
国際機関が福島原発事故後にあらたに策定した安全指針それ自体が、福島で日本政府がおこなっている放射性物質の暫定的な扱いを反映させたものになっていて、それによって日本政府が「国際機関の基準に適合している」とみずからの方針の妥当性を担保するという、いわば〝自作自演〟のようなことが行われている実態も浮かびあがります。
その結果、福島原発事故による深刻な環境汚染や大量の放射性廃棄物への対処を容易にするために緩和された日本での暫定基準が、放射線防護の国際基準を緩める格好の「前例」とされてしまうのではないでしょうか。
今回のオンライントークでは、図解レポート p.18のやや込み入った図表の読み取り方を説明しながら、上に述べたような日本の原子力推進勢力と同じく原子力推進の側に立つ複数の国際機関との、いわば 〝共犯関係〟 を明らかにしたいと思います。
すでに冊子を御覧いただいた方も、まだの方も、あわせて多くのみなさんにご参加いただければ幸いです。

