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「皇位の男系継承は2600年以上にわたる皇室の伝統」(小林鷹之自民党政調会長)

皇室典範の改訂内容
①女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持する。
②旧11宮家出身で配偶者と子がいない15歳以上の男系男子を養子として皇族に迎え、その男子孫に皇位継承権を与える。

身分制の「飛び地」拡大は違憲

高市政権の暴走

 7月25日に閉会した特別国会は高市首相の強権国会となりました。
 国家情報会議設置や国旗損壊罪など、戦争準備に向けた危険な法案を次々に成立させました。
 なかでも「皇室典範改正」は戦前の天皇制への回帰をはかる以外の何ものでもありません。

皇国史観の復活

 高市首相は4月の自民党大会で「神武」以来の男系継承は「歴史的事実」とのべました(7月16日「毎日」)。
 また7月10日、自民党小林鷹之政調会長は、衆院議運委において「皇位の男系継承は2600年以上にわたって先人たちが守り抜いてきた皇室の伝統です。」とのべました(7月16日「朝日」)。
 神武天皇は「古事記」や「日本書紀」が作りあげた架空の人物です。
 また2600年前は縄文時代にあたり、天皇が存在するはずがありません。
 自民党は今回の「皇室典範改正」にあたり、学術的に完全に否定されている神話を「歴史的事実」として国民を欺きました。
 皇国史観を復活させたのです。

女性皇族の皇族身分保持

 今回の「改正」点の一つは、女性皇族は婚姻後も皇族の身分を保つというものです。
 皇族数の減少に歯止めをかけ、女性皇族に「公的行為」を担わせつづけるというのです。
 しかしながら、そもそも天皇の外国訪問や式典出席などの「公的行為」自体が、違憲の疑いの強いものです。
 天皇は「国事行為のみを行ない」とあり(憲法第4条)、国事行為に外国訪問や式典出席はない(憲法第7条)からです。
 まして皇族が「公的行為」を行なう権限は全く存在しません。
 すなわち、皇族による「公的行為」そのものが憲法違反であり、「皇族数の減少」という理由も「女性皇族身分保持」という解決も、そもそも成り立ちえないものです。
 旧宮家出身の男子を養子に迎える「改正」点のもう一つは、旧宮家出身の男系男子を養子として皇族に加え、その男子孫の皇位継承権を与えるというものです。
 1947年10月14日、11宮家51名の皇族が皇籍を剥奪され、一般国民になりました。
 つまり「改正」が道を開いた「旧宮家」からの皇族への復帰は、現憲法第14条が禁止する「門地(家柄)による差別」という他ないものです。
 旧宮家の皇籍剥奪は華族の廃止と並んで身分制の撤廃という戦後改革の重要な成果でしたが、これを戦前に戻すのが今回の「改正」なのです。

女性天皇を認めるべきか

 政府が「守り抜」こうとする男系男子による皇位世襲は、明治政府が作った「伝統」にすぎません。
 これに対してリベラル派の多くに、女性天皇や女系天皇を容認すべきとの意見があります。
 しかしながら、たとえば現天皇・皇后の娘である愛子氏が天皇になったとして、いま高いとされるその「人気」を煽ったり、「女帝出現」などと囃し立てたあげく、天皇制の強化につながりかねません。
 この「女性天皇」について、憲法学者である久保田茉莉氏は、「国民とは隔離された飛び地の看板が女性になるだけ」であり、「男女平等の前進とありがたがる」むきがあるとしたら、それは「天皇の『象徴』性に過剰な期待を抱いているから」だと指摘されています。(『週刊金曜日』2026.7.17号に詳しい。)

「飛び地」の範囲拡大は憲法上、許されない

 天皇制は世襲に基づく身分制であり、憲法の「飛び地」です。
 皇族は莫大な経済的特権をもつ(天皇の場合、皇居などに居住権を持つ)一方、参政権や政治活動・信教の自由は保障されず、平等原則も適用されません。
 女性皇族の身分保持や旧宮家の男系男子を養子として皇族とすることは、憲法の「飛び地」を拡大することに他ならず、許されないことなのです。
 今年の教育祭前夜集会では、フェミニズムの観点から憲法学を論じてこられた久保田茉莉・日本体育大学助教をお呼びして、「皇室典範改正」をめぐるさまざまな問題点について、大いに語っていただきたいと思います。

「皇室典範改正」という名の天皇制強化
日 時:2026年10月24日(土)14時~
会 場:エルおおさか
 〒540-0031 大阪市中央区北浜東3-14
 地下鉄・京阪「天満橋駅」より徒歩5分
 地下鉄・京阪「北浜駅」より徒歩7分
 地図→https://x.gd/TUBg4
講 師:久保田茉莉さん(日本体育大学助教 憲法学)
 主著:『軍隊への男女共同参画 女性の権利の実現と軍事化の諸相』(日本評論社)
会場費:800円
主 催:教育塔を考える
問合せ:kyoikutoukangaeru@gmail.com