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 国家情報局は情報の収集・抑止・発信の司令塔

■動き始めた国家情報局
 7月31日、情報の司令塔として国家情報局が発足しました。
 それを受けて、8月5日、自民党インテリジェンス戦略本部は、「我が国の『情報防衛力』の強化に向けて 開かれた社会を、隠れた工作から守る」と題する提言を発表しました。
 今年2月の国家情報局創設の提言に続く第2弾です。
 防衛力は軍事力の言い換えで、「情報防衛力」とは「情報軍事力」のことです。
 この提言は「スパイ防止法制」などと言われることもありますが、その内容はもっと広範で多岐にわたる情報戦=認知戦全般に関する提言です。
 「認知戦」という言葉は、最近、いろいろなところで使われるようになりました。
 たとえば、「中国は認知戦によって、政府への国民の信頼を損ない、日本の安全保障政策への支持を弱めることを狙っている」、「軍国主義の復活、処理水を汚染水という、琉球独立を煽るなどのデマは中国による認知戦の成果だ」などというように。

■情報の抑止
 情報軍事力強化のための提言の第一の柱は「悪意ある活動を思いとどまらせる『抑止』」です。
 新たに「外国干渉防止法」(仮)という法律を作ります。
 その内容は①「タト国の代理人」の登録などの義務、②「タト国勢力による不正な干渉行為」に対する刑事罰の新設です。
 「外国代理人」法は2020年以降、急速に世界各国に拡がりました。
 具体的な内容は国によって違いがありますが、ロシア、インド、イスラエル等、多くの国々で政治的、社会的課題に取り組む団体が、国際連帯活動や外国からの資金援助、「外国の影響」などを理由に「外国の代理人」というレッテルを貼られ様々な規制を受け、壊滅的な打撃を被っています。
 「外国代理人」法は「市民社会の生命線を断つ」と表現されることさえあります。
 提言が「外国勢力による不当な干渉行為」として処罰を求める例に、「外国勢力等のための欺罔等の手段による政治・社会への干渉行為」があります。
 どんな政治活動・社会活動も、外国勢力を利すると決めつければ当てはまります。
 タト国干渉防止法の下では、戦争が始まれば(始まらなくても)、戦争に反対する声をあげることさえ外国勢力のための不当な干渉だ、として弾圧することが可能になるでしょう。

■情報の収集
 提言の第二の柱は「脅威を把握する『収集』」です。
 盗聴の対象を秘密保護法や外国干渉防止法違反に拡げ、さらに(犯罪に関わらない)安全保障目的の・裁判官の令状を必要としない「通信情報の収集・利用」制度の新設です。
 現在の情報収集・利用は「盗聴」のイメージとは異なり、インターネット上を流通し、あるいは保存されている通信の内容とデータをまるごと取得・分析する一網打尽の包括的なものです。

■情報の発信
 現在、安保三文書年内改定のための有識者会議が開かれています。
 そこに提出された自衛隊資料は、「防衛力の変革」の柱の一つとして「偽情報の拡散等を踏まえた、平素からの認知戦への対応強化」を挙げています。
 具体的には、①情報発信に係る体制強化として「国内の混乱や同盟の離反を企図した認知戦・プロパガンダや、偽情報の拡散などに対し、事前の備えを行うとともに、スピード感をもって対応」、②情報収集から情報発信のサイクルにおけるAIの活用として「SNS等の膨大な公開情報を広く・効率的に収集」などとあります。
 ポップな表紙の防衛白書令和8年版によれば、自衛隊はすでにこれらの取組を加速させています。
 今年3月、上海を射程に入れて熊本健軍にミサイルが配備され、「緊急事態を想定した避難施設(シェルター)の確保に関する基本方針」が閣議決定され、陸自に情報作戦隊、海自に情報作戦集団が新編されました。
 9月には北京を射程に入れるトマホークを登載したイージス艦が佐世保に戻ります。
 国家情報局を司令塔として動き始めた情報軍事力強化の意味をそのような流れの中で考えます。

動き始めた国家情報局の危険性を考える
日 時:2026年10月3日(土)18:00開場、18:30~21:00
場 所:PLP会館・4F
 〒530-0041 大阪市北区天神橋3-9-27
 地下鉄「扇町駅」4番出口徒歩3分
 JR「天満駅」徒歩5分
 地図→https://x.gd/pWk7T
講 師:永嶋靖久弁護士
資料代:800円
主 催:とめよう改憲!おおさかネットワーク
共 催:共謀罪に反対する市民連絡会・関西