
10月21日のレイバーネットTV「知らないうちに丸裸〜ここまで来たデジタル監視社会」は面白かった。しかも役に立つ内容だった。現在進行形のデータ漏洩問題はじめ、話は多岐にわたったがいくつか身近な例を紹介しよう。一つは、「LINEが危ない」ということ。としまるさん(写真中央/JCA-NET理事)の話によれば昨年(2025年)後半のデータでは、捜査機関から「LINEヤフー」に情報開示要請があったのが7000件を超え、激増傾向にあること。しかもその半数は裁判所の令状なしである。市民運動の連絡手段としてよく使われている「LINEグループ」だが、捜査機関が必要となれば過去の履歴を含め閲覧される可能性があることを知っておくべきだろう。代用の連絡手段としては、プライバシー保護にすぐれた「シグナル」があるが普及しておらず、「LINE」が9割以上を占めているのが現状だ。

つぎにマイナカードの話。10年前から始まった「マイナカード」は、現在普及率が84%になった。どーんと増えたのは、マイナポイントが付いたときだった。第一期は5000円、第二期は2万円のポイントがあり、一気に普及が広がった。宮崎俊郎さん(写真右/共通番号いらないネット)は「人参をぶら下げられてここまで来た。でもこれから本格的な紐付けが始まる。収入・預金・金融・不動産などまで紐付けされていく危険性がある。政府がやりたいのは国民すべての財産を管理することだ」と語った。
実際いま年金口座とマイナンバーとの紐付けが「半強制的」に進められている。年金対象者全員に郵便書留が送られて「意志確認」を求められているが、なにもしなければ「同意」で「不同意」はわざわざハガキを出さなくてならない。デジタル庁の相談窓口との電話やりとりが生音声で紹介された。「不同意だと困ることや不利益はあるのですか?」の質問に窓口のオペレーターは「とくにない」とのこと。ならば104億円もの巨額な経費を使って、無理にやる話ではないはず。やりとりのなかでオペレーターも「便利なものが不便になってしまった、との声がある」と言っていたが、国民の中にも不満が広がっているようだ。


番組では、現在進行しているキャッシュレスにも危惧が語られた。としまるさんはすべて現金主義だが、「キャッシュレスが怖いのは金の動きがすべて記録されるということ。現金ならその心配はない。プライバシーを守り匿名で生きる権利を守りたい。ライフスタイル・価値観の転換が必要だ」と。
この日の放送ではたくさんの事例が出され、私たちが「知らないうちに丸裸」にされている現実が明らかになった。便利どころが不便にさせられ、個人情報だけはすべて持っていかれるこの「デジタル管理社会」は、やはりおかしい。ではどうしたらいいか、やれることはたくさんある。としまるさんは「JCA-NETが監視に対抗するパンフレットを出したので活用してほしい」と訴えた。(M)
●寄せられた感想〜中高年の私たちに響きました
必見!というので夫婦で視聴しました。見て良かったです。さっそくJCAネットのパンフをダウンロードし印刷しました。デジタルと人権、現金の権利、「アナログの権利」のことなど、中高年の私たちに響きました。デジタル庁への電話での取材も現実味があり面白いです。こうした「テレビ授業」が好きなので機会があれば、また企画して下さい。(F)
→JCA-NETパンフレット入手先 https://jca.apc.org/

