困窮子育て家庭への支援を訴える渡辺由美子理事長(中央)

竪場勝司
  子どもの貧困の解消などに取り組んでいる認定NPO法人キッズドア(渡辺由美子理事長)は、学校給食がなくなる夏休みを前に「子育て家庭アンケート」を実施し、7月1日、東京都内で記者会見を開いて調査結果を発表した。物価高の影響が深刻で、「生活が苦しい」と回答した家庭が全体の98%にのぼった。
 キッズドアはコロナ禍の2020年から、困窮子育て家庭を対象に物資や就労などを支援する「ファミリー・サポート事業」に取り組んでいる。今回のアンケートは同事業に登録している家庭を対象に、6月上旬にオンラインで実施し、1449世帯から回答があった。

食事も睡眠も不足する子どもたち

 会見ではキッズドア事業戦略部調査室の高砂早織さんが調査結果の概要を説明した。暮らしの経済的状況については、「大変苦しい」と「やや苦しい」の回答が合わせて全体の98%を占めた。経済的な理由で子どもが健康に必要な量の食事をとれない日は、「ときどきある」と「ほぼ毎日」を合わせて全体の約8割にのぼった。
 食事が十分に用意できないことによる子どもへの影響に関しては、「イライラしている」や「病気にかかりやすい」の回答が上位を占めた。また、必要な量の食事がとれない頻度が高いほど、「睡眠時間の不足」などの子どもの睡眠に関する心配ごとが多くなっており、食事も睡眠も不足してしまっている子どもたちの状況が強く懸念される。

保護者の心の状態悪化も懸念

 この夏のエアコンの使用予定についても尋ねているが、半数近くが「かなり制限する」か「使わない」と回答。4割超の保護者が、夏休みについて考えて気持ちがひどく落ち込むことが「いつもある・しばしばある」と回答した。「現在困っていること」の自由記述回答では、「生きている事がいよいよ辛くなってきました。不安とストレスでおかしくなってしまいます」、「年々厳しさを増す生活にストレスを感じます。自分の力だけではどうにもならない現状に、不安しかありません」など、保護者の心の状態の悪化が懸念される回答が目立った。

 アンケート結果を踏まえて、渡辺理事長は緊急提言として、①所得100万円未満の家庭に特化した支援の必要性②子どもが満足に食事をとれない家庭への支援③継続的な子どものセーフティネット構築の必要性④親子の体調不良がもたらす、さらなる課題への対応の必要性⑤孤独・孤立した困窮子育て家庭への相談体制の確立、の5項目を挙げ、行政の対応を求めた。また渡辺理事長は「給食がなくなる夏休みに、低所得家庭の子どもたちは命の危機にある。円安でものすごく物価高が進む中で、本当に深刻な状況だ」と訴えた。

 キッズドアでは「夏休み緊急食料支援」として1400万円を目標に、約3500世帯の子どもたちへ食料を届けるためのクラウドファンディングを7月31日まで実施している。リンクは https://congrant.com/project/kidsdoor/23040。