堀切さとみ

 7月17日(金)18時、防衛省正門前。職員がゾロゾロ退勤する中、虐殺AI導入するな!占領支援のAIいらない!のコールが響く。

 集まった40名の中には、「ジェノサイドに抗する防衛大学校卒業生の会」の平山貴盛さんもいる。防衛省で働く人たちの中にも、おかしいと思う人はいるはずだ。そんな気持ちがスピーチに溢れている。メディアも多く、名古屋のテレビ局も駆けつけていた。防衛と称する虐殺のための技術は、これまでとは次元がちがう段階に入ったのだ。
 「米パランティア社のAIシステムの導入を中止してください」の要請文を、滝あさこさんが読み上げ、防衛省職員に手渡す。武器取引反対ネットワークの杉原浩司さんは「今日の行動は、虐殺企業パランティアへの、日本ではじめての抗議になる」と話した。


 パランティア社とは2003年に設立された、アメリカのデータ解析、AIソフト企業だ。この会社のすごさについてAIに聞いてみたところ「バラバラなデータを、使える知識に変換する」「AIを現場の業務に安全に着地させる技術」と答えたが、ただのデータ解析だと思ったら大間違いだ。その技術は今年二月、イランに対する凄まじい虐殺を実現した。
 最初の24時間で1000カ所を攻撃、小学校を爆撃して175人を殺害。膨大なデータから攻撃対象を一瞬で分析し、軍事的意思決定にかかる時間を短縮する。コスパ、タイパというが「人間の殺戮まで効率よく」というのがAI技術なのだ。

 パランティア社は米CIAからの出資を受け、イスラエルとの技術協力をはかっている。そのパランティア社から昨年一月にターゲット情報処理装置を、防衛省は2億8千万円で購入したという。そして、今年2月の自衛隊&米軍との合同演習でパランティア社のAIシステムが使用されたことを、先月末の朝日新聞がスクープした。
 植松青児さんは「軍事AIは、国境を越えた人々をサーチし特定し追尾し、ボタンを押して殺すシステム。防衛用ではない。これを導入するのが防衛省だなんて、矛盾していないか」と訴えた。

 日本の国防は、イスラエルとアメリカを中心とする虐殺の軍事システムに組み込まれつつある。それは「間接的に加担する」などという位相の話ではない。
 平山さんはいう。「AIシステムは世界共通。使われれば使われるほど、データを食べれば食べるほど賢くなる。自衛隊の訓練で集めた情報で、より性能を向上させたAIが、パレスチナやイランで市民を再び虐殺し、虐殺によってさらに性能が向上したAIを自衛隊が使う・・・虐殺のサイクルに組み込まれるのだ」と。
 膨大な解析データの中には、私たちが日常的に使っているSNSの投稿も含まれる。

 それでも昨年度のイスラエル製小型攻撃用ドローンの入札は、市民の抗議によって止めることができた。今からでも遅くはないのだ。