国労という戦後最大の労働組合を解体し、多くの労働者を自死に追いやることで誕生したJR東日本。民営化されて40年近くたつが、今なお組合つぶしに邁進している。

10月1日、JR東日本輸送サービス労組(JTSU)が、参議院会館で記者会見を開いた。2020年4月、新入社員に組合紹介のパンフレットを配布したという理由で、八王子支社に勤務する二人の組合員が厳重注意処分を受けた。就労規則23条違反だと会社は主張するが、二人は勤務時間外に、更衣室で一部ずつパンフを手渡しただけ。その時間も1分程度で、新入社員は動揺したり迷惑がったりしたわけでもない。

これは組合活動をさせない不当労働行為ではないのか。組合側は、第三者委員会に判断を委ねた。
2023年に東京都労委は、会社側の組織介入だと認定。
これに対して、会社側は「承認できない」と、中央労働委員会へ再審査を申し立てた。
その中労委判決が、この9月10日に出た。会社側の申し立てを棄却するという内容だった。
会社側の主張はこうだ。「JR東日本には12の労働組合が乱立し、相互に相手を批判する情宣活動が行われるなど、対立関係にあることは顕著だ。職場内での労組への勧誘活動を会社が静観すると、あらゆる労組の勧誘活動が野放図になり、職場秩序が乱される」
八王子支部でのパンフ配布処分事件以降も、組合に対する嫌がらせは続いている。JTSU中央執行委員長の佐々木宏充さんによると、
「休憩時間に外で昼食をとりながら、同僚と組合の話をしただけで違法といわれた」「正月に職場にみかんを差し入れたことが、組合活動だとみなされて強制的に没収された」「転勤してきた人の歓迎会を職場でやっていたら違反だと言われた」など、組合員が親睦を深めたりすることが会社によって阻まれる事例が続いているという。
JR東日本は今年初めだけでも、発火、架線断線、長時間停電などのトラブルで、列車の運行を妨げている。何万人もの乗客を列車内に閉じ込めておきながら、事故の検証や安全対策ではなく、組合つぶしに力を注いでいるように思えてならない。
中労委はそのような見解を示したが、会社は不当労働行為を認めようとしない。
事故で人の命を奪うことよりも、組合の方が怖いのだろうか。こんな輸送会社に、私たち乗客は命を預けていいのだろうか。(堀切さとみ)


