台湾の社会運動ニュースサイト「焦點事件」の公式facebookに掲載されていた続報です。原文および現場の写真などはこちら https://x.gd/73UYH (レイバーネット国際部)

<写真・文:王子豪 2026年10月8日10:15(日本時間)掲載>
長時間の協議を経て、AGC(旧・旭硝子)雲林工場労働組合は、来年(2027年)および再来年(2028年)の2年間、月給をそれぞれ1200元(日本円約6000円)引き上げることで合意し、夜11時に協定に署名した。組合員代表大会による本日の午前(10月8日)の採決を経て、ストライキの終了が正式に宣言される見通しだ。

10月5日午前8時に始まった今回のストライキは、当初は警告ストで、10月7日正午に終
了する予定だった。しかし、組合員の間からストライキ継続を求める声が上がったため
、組合が意見を募ったところ、実名の記載する同意書によって継続を希望する者が390
通を超え、設定基準の350通を突破したため、ストライキの延長が宣言された。

午後には労働部(労働省に相当)労働関係司の王厚偉・司長(局長)が雲林県に赴き、
雲林県政府と共に協議を仲介した。協議の場所を巡っては、年末の選挙に向けた政治的
思惑が絡み、当初王氏が提案したAGC工場敷地内から、県政府が希望する県庁舎内へと
調整が難航し、最終的に第3の場所である雲林産業園区サービスセンターで行われるこ
ととなった。

午後4時に始まった協議では、代表団が入場した後、数十人の組合員が門外で進展を見
守った。労使双方はすでに賃上げの金額と期間について合意に達していたが、経営側代
表が土壇場になって、夜通し議論されていなかった複数の条項を突然持ち込んだ。これ
には、組合側に対しすべての訴訟および不当労働行為の救済申し立ての取り下げを求め
る要求や、協定有効期間中のストライキ権を放棄する平和条項、警備協定の延長などが
含まれていた。これに場外の組合員が反発し、協議中の労働側代表も次々と退場したた
め、夜8時半頃に協議は一度決裂した。

組合代表がストライキのテントに戻った後、王厚偉司長が再び組合代表を呼び戻して会
議を開いたとされ、夜9時半から11時半にかけて、警備協定の延長などの条項が削除さ
れ、会社側による報復(不利益取扱)を禁じる条項が盛り込まれた。最終的な成果とし
て、来年および再来年の2年間でそれぞれ毎月1200元の賃上げが行われることになり、
2028年に労働部が最低賃金の引き上げ幅を発表した時点で、それ以降の年度の賃上げ交
渉を開始することになった。

深夜にストライキのテントに戻った後、組合の沈全成・理事長は、当初掲げていた「毎
年5%の制度的賃上げ(約1500元に相当)」を実現できなかったことを輪番で警戒に当
たる組合員にまず謝罪した。しかしその後、幹部らは組合員を鼓舞し、「皆で雲林の歴
史上初めてのストライキ、初めての勝利を成し遂げ、賃上げ交渉の道を開いた。会社側
も今回の教訓を必ずや記憶するはずだ。組合組織が強固でありさえすれば交渉の裏付け
となり、将来に向けてより良い労働条件を会社側に勝ち取り続けることができる」と語
った。(以上)