<竪場勝司>
 日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)やピースボートなどが参加する核兵器廃絶日本NGO連絡会は10月29日、11月末から開催される核兵器禁止条約の第1回再検討会議に日本政府が参加することや、条約への署名・批准を外務省に要請した。

井草審議官(右)に要請書を手渡す和田征子さんと濱住治郎さん

 第1回再検討会議は核兵器禁止条約の発効から5年の取り組みを総括し、核なき世界に向けた今後の展望を議論する会議で、11月30日から12月4日までニューヨークの国連本部で開催される。

 これまでも連絡会は核兵器禁止条約の署名・批准と、条約の締約国会議への参加を日本政府に再三、求めてきたが、安全保障政策がアメリカの「核の傘」に依存している状況などを反映して、政府は要請には応じない姿勢を続けている。

核兵器禁止条約に背を向ける日本政府の姿勢に、被爆者らは憤りも

 29日は連絡会のメンバーが外務省を訪れ、日本被団協の和田征子さんと濱住治郎さんが軍縮不拡散・科学部の井草真言審議官に要請書を手渡し、意見交換を行なった。要請書では、再検討会議への参加にあたって、核の非人道性を訴え、被害者援助と環境修復の議論に加わることを日本政府に求めた。

 意見交換会は冒頭以外は非公開で、出席した川崎哲・ピースボート共同代表によると、再検討会議への参加に関しては、井草審議官は「連絡会の意見を受け止めて、慎重に検討する」と回答し、検討のポイントとしては「日本の安全保障の観点と、核軍縮の実質的な進展につながるかどうかの2点を考慮しなければいけない」と述べたという。川崎さんは井草審議官の回答について「これは従来、日本政府がオブザーバー参加しない時に言ってきた論理と同じ論理で、大きな変化はなかった」と語った。

 要請行動の終了後に取材に応じた和田さんは「何も心に響く言葉がなかった。『NPT(核不拡散条約)でもいろんなことを考えながらやっています』とおっしゃるが、なぜ核兵器禁止条約には背を向けるのか」と政府の姿勢に憤っていた。