
<堀切さとみ>
久しぶりのビデオアクト上映会。11月4日、飯田橋の市民ボランティアセンターで、「パワハラと闘うエッセンシャルワーカー」をテーマに二作品『バスドライバーにあこがれて』『懲罰自転車』を上映してもらいました。

会場には、二人に手を差し伸べた西武バスユニオンや東京中部ユニオン、それから裁判を支える人たちが沢山来てくれて、司会の本田さんは「いつものビデオアクト上映会とは客層が違うなあ」と少し驚いていた様子。
国際興業バスの運転士だった槙野さんと、成城郵便局配達員の永井さん。脅迫文や懲罰自転車というパワハラに対して声をあげた二人。会社も組合も労基署も、彼らを守るどころか余計に傷めつけてくる。それでも頑張る二人が出会って、親交を温めていたのが、何より嬉しかったです。職種は違っても、お互いの奮闘に関心を持つというか・・・。
永井さんが「いじめって、やってる方は楽しいんですよ」と言った時、私はアレンネルソンが「なぜ人を殺したのか?」と精神科医に問われた時、「殺したかったから」と答えたことを思い出しました。ネルソンさんが所属した海兵隊では、最初に教わることが「考えるな」「絶対服従」「殺せ」でした。それは、日本郵政や国際興業にも当てはまることだと思います。戦場ではない、働く場所で、人が殺されているのです。
槙野さんは精神疾患に始まり、膀胱がん、そして今は肺がんとも闘っています。裁判が終わる前に自分が死んでしまうんじゃないかと。
永井さんも、懲罰自転車の被害者は沢山いるのに、職場で話題にすることができない。そんな不条理の中で、たった一人声をあげ、少しずつ仲間を増やしてきたのです。槙野さんには治療費としてカンパが寄せられました。
職業を超えて、労働者と市民が連帯することが、希望につながっていくのではないか。会社の内側からだけでなく、外から攻めていくことができないだろうか。そんなことを想った上映会でした。(『バスドライバーにあこがれて』『懲罰自転車』制作者)
〔上映会に参加して〕私もパワハラ経験、バス運転士として繋がっていきたい
井上誠(路線バス運転士)

第137回VIDEO ACT!上映会、~パワハラとたたかう、エッセンシャルワーカーたち~バスドライバーに憧れて、懲罰自転車を見に行きました。
僕も路線バスの運転士となって22年が経ちます。来年の6月には23年目に突入します。労働運動を始めたのは、入社から2年目の、ちょうど今頃。夜に高尾駅北口を発車し、途中バス停で乗って来た高齢者を乗車扱いし、着席確認をし、「発車します」とマイクアナウンスをした後に発車、しかし直後、「ドン」と尻餅につく音。すぐに停車したが、たまたま家族が乗り合わせていた。どうやら、発車するタイミングで座席を移ろうとした様だ。翌日から下車させられ、日勤教育。管理職からは、「通院11日以上の、国土交通省への報告事故になる。」と言われ、日勤教育は続く。本当に自動車事故報告書に載る様な事故なのか、疑問に思い、国土交通省関東運輸局に開示請求をすると、その様な報告はなかった。つまり、脅し文句で使っただけなのである。この頃から会社の在り方について疑問を持ち、労働運動や社会運動を始めた。
今でこそ、労災申請も普通に出来るが、20年前は槙野さんの事案同様、「労災申請は認めないよ」だった。事ある毎に通勤災害や労働災害を申請し、やっと今の状況があると自負している。「闘い亡くして安全なし」は、国鉄千葉動力車労働組合(動労千葉)の標語であるが、まさにそうである。
そして、多摩バスと言う子会社入社だが、36協定のためだけに作った労働組合を変えようと、選挙に出て、執行委員になった。しかし、周りの執行委員は即刻、会社側に寝返り、排除された。その後、会社から出て来た提案は、親会社である西東京バスとの経営統合だった。闘う労働組合を潰すために、経営統合までする資本。
これも国家政策の一連の流れ。堀切さとみさんも上映会で言っていた、1987年の国鉄分割・民営化は、総評を解体し改憲やって戦争の出来る国家を作るため。(当時の中曽根康弘首相は、お座敷を綺麗にして、床の間に立派な憲法を掲げる、と明言している)。バス職場でも、95年の経労委報告で、分割・民営化が民間企業にも適用出来ると言う報告書が出され、一斉に分社化の議論が広がった。
西東京バスとの経営統合後、労働組合も連合・私鉄総連傘下の労働組合になったが、その中で闘う労働組合へ変えようと言う事をやって来た。郵便局の問題も、まさにそうである。JP労組も連合傘下、その中で、御用組合と化した労働組合を、どう変えて行くのか、それは、色んな党派の壁を超えて、連帯した闘いが重要である。
国際興業バスの槙野さんにもお初で会えて、裁判支援に行きたいと思っていた事も伝え、エール交換✊バス労働者、郵便労働者、僕は関係なく、あちこち連帯して、この国の労働組合の在り方を変えたいのである。(井上さんのFBより転載)

