〔映画の部屋〕『急に具合が悪くなる』~記憶の痕跡は宝物のように

永田浩三(ジャーナリスト・武蔵大学名誉教授)  公開初日、最初の回を観た。映画、そして演劇とはかくも素晴らしく、可能性があるものか、目から鱗が落ち、澄み切った水で心と体が清められた気がした。カンヌ映画祭で絶賛されたのは当然のことだと思う。お客さんは食い入るように観ていた。  原作は末期のがんに向き合う哲学者・宮野真生子さんと文化人類学者・磯野真穂さんとの往復...

「国家主義国家」への道を許さない〜「損壊罪」反対の声を!

<渡部秀清> 「国旗損壊罪」の審議が始まろうとしている。しかしこの法案は極めて問題の多い法案である。まず、この法案は、明治40年(1907年)つまり119年も前の刑法に、初めて付け加えられたものである。ということは、その間このような法律はこれまで必要がなかったと言うことである。しかも、第四章「国交に関する罪」の第94条の二として付け加わる。損壊罪が「国交に関...

平和川柳・ショート動画を大募集!〜共同テーブル「平和推し」フェスティバル

 「共同テーブル」は、2021年8月に「日本国憲法の理念と思想の実現」をめざして発足した市民団体。代表は作家の佐高信さんで、各界のジャーナリスト・学者などが発起人に加わっている。同会は、「新しい戦前にさせない」連続シンポジウムを19回も積み重ねてきた。いま高市政権の登場で、「戦争・改憲」の足音がますます高くなっている。そんななか、発足5周年を迎える「共同テー...

戦争する国づくりを許さない! 国会19日行動〜2万6千人が集まる

<宮川敏一> ■衆院は19日午後の本会議で、憲法改正の手続きを定めた国民投票法の改正案を与党と中道改革連合、国民民主党などの賛成で可決した。公職選挙法の規定にそろえ、投開票立会人の選任要件を緩和する。憲法改悪が大きく迫ってきた。6/19、国会正面前で、「国会19日行動」が開催され26000人が結集した。会場の国会正面前の反対側に陣取ったレイシフト、ヘイトグル...

「ヘイトにNO!全国キャンペーン」〜14万筆の署名提出

<竪場勝司>  外国人の人権問題などに取り組む11団体による「ヘイトにNO!全国キャンペーン」は6月18日、差別禁止法の制定などを求める署名14万628筆分を政府などに提出した。この日は国連が定める「ヘイトスピーチと闘う国際デー」にあたる。  キャンペーンは、2025年7月の参議院選挙の前後から、外国人、難民、民族的マイノリティに対するヘイト言動が大きくなっ...

「国旗損壊罪」法案提出を糾弾!〜憲法の基本「表現の自由」が危ない

 6月16日、自民・維新・国民・参政4党共同で、「国旗損壊罪」法案が提出されました。憲法の基本である「表現の自由」を脅かすこの法律は、憲法破壊の法律といってもいいでしょう。国民民主の玉木氏は、「週刊金曜日」で「国旗損壊罪」は違憲法案だと言い切っていましたが、あっというまに態度を変えてしまいました。17日の官邸前緊急アクションでも「玉木批判」が渦巻きました。 ...

〔週刊 本の発見〕『おどろきの刑事司法』〜えん罪事件はなぜ起こるのか

<評者:内藤洋子> 毎木曜掲載・第439回(2026.6.18) 村木厚子著『おどろきの刑事司法――”犯罪者“ の作り方』(講談社現代新書、2026年)  本当に驚きの連続だった。そして、刑事司法の実態を初めて知り、恐ろしくもなった。日本の刑事事件の有罪率は、99.9%、すなわち、無罪判決を得るのは、1,000人中、わずか1人か2人しかいないという。無実の人...

反戦・反核・反原発★三日間連続行動に参加して

小泉雅英 先週末から週明けにかけて、三日間(6/13〜15)の「反核・反原発」連続行動に参加した。これらの根底には、「反戦」のテーマが共通していることは、言うまでもない。どの日も予想を上回る大盛況で、福島原発震災事故から15年の現在、この国の状況は、改善どころか、真逆の再稼働への動きなど、原発回帰に向かい、さらに悪化していること、こうした現状への憤りと、多発...

石垣島住民投票の金城龍太郎さんが小説「花の大陸」を発刊

石垣島の陸上自衛隊ミサイル基地をめぐる住民投票をすすめた、金城龍太郎さんが小説「花の大陸」(南山舎・468頁・1800円+税)を昨年12月に発刊した。 動画(9分12秒) 龍太郎さんにその思いを聞いた。 小説の刊行を思い立ったのは、一つ目の裁判「住民投票義務付け訴訟」の最高裁判決(2021年8月25日)が出たころだという。「住民投票」という4文字の堅苦しさに...

三多摩レイバー映画祭2026大成功~世代を超えて、労働と人権を語りあう場に

堀切さとみ (映画祭実行委 『懲罰自転車』制作者)   6月14日、国立で三多摩レイバー映画祭があった。会場は映像居酒屋「キノキュッヘ」。四回目になるこの日は、一橋大学・坂上香ゼミの学生作品を上映し、世代間を超えて交流することができた。ユニオンの人たちも多数参加し、レイバー(労働)映画祭らしい映画祭になった。  将来を確保されたかにみえる東大卒の若者が、職場...

〔映画の部屋〕『ジェニー・ペンはご機嫌ななめ』~人生終盤の帳尻合わせの残酷さ

 永田浩三(ジャーナリスト・武蔵大学名誉教授)  怖い映画だ。怖くて苦くて、身につまされる。見終わった後、突然わたし自身が体験してきた理不尽やいじめがよみがえり、胸の中にあふれかえった。それと同時に、10年前亡くなった父のことを思い出した。90代半ばに差し掛かり一人暮らしに限界が見えた時、父は入院を希望した。しかし、病院では自分らしい暮らしがまったくできない...

「憲法違反の損壊罪を上程するな!」〜52名が高市ファシズムの策動を弾劾

6.11「国旗損壊罪」反対・官邸前アクション第2弾  那須研一(「国旗等損壊罪」反対連絡会事務局)  昨年10月の政権発足以来、「国旗等損壊罪」制定を公言する高市首相。そして今年3月、同罪上程に向けて始動した自民党。「日の丸を損壊したら処罰する」。その動きに強い危機感を持ち、同罪の成立を何としても阻止しよう、との思いで市民有志が「国旗等損壊罪」反対連絡会を結...

「敬意と対話」が市民の力〜レイバーネットTV「ヨコスカ反戦運動」の真髄伝える

 6月10日のレイバーネットTVの特集は<ヨコスカから見えてくる「戦争」>だった。メインゲストは、ヨコスカ反戦市民運動のレジェンドともいうべき、新倉裕史さん(写真左)だった。1973年のミッドウェー母港化に反対するグループをつくったのが運動のきっかけ。1976年から月例デモがはじまり何と50年間つづいている。回数にして604回だ。番組では、新倉さんが現場のス...

「ネガキャン動画」疑惑の首相が直面する「デジタル帝国主義」

●フランス発・グローバルニュース NO.20(2026年6月11日) 土田修(ジャーナリスト、元東京新聞記者)  高市首相の陣営が自民党総裁選や衆院選の期間中に、対立候補や他党を誹謗中傷する「ネガキャン動画」を大量に作成し拡散したとされる疑惑が週刊文春によって暴露された。文春側は、公設秘書が動画作成者と行ったweb会議の音声を公開しているが、国会質問で野党に...

太田昌国のコラム : ワールドカップ開催日に思う

●第113回 2026年6月10日(毎月10日)  私が現役の編集者であったころ、ラテンアメリカの歴史と文化・社会に関する関心が深かったから、出来るだけあの社会総体が浮かび上がる企画をいろいろと考えていた。結果的には実現できなかった企画も多いが、そのなかには、『サッカーの社会学』とか『カーニバルの人類学』とでも名づけられる企画があった。サッカーもカーニバルも...