
フィリピントヨタ労組のエド委員長(右)とジェイソン執行委員(左)の2名が来日した。毎年(コロナ期を除いて)この時期に日本の支援者とともに、争議解決を求めて愛知トヨタ本社と東京本社に対して要請行動を行ってきた。10月6日には、トヨタ東京本社で約1時間の面談があった。
フィリピントヨタ争議は、ことしでじつに26年目になる。トヨタ自動車は1988年に現地法人を設立し、本格的なフィリピン進出を果たした。現在、フィリピンの最大の自動車会社で50%のシェアを誇っている。争議の発端は2001年にさかのぼる。2001年に正当な選挙で選ばれたフィリピントヨタ労組に対して、トヨタは233名の組合員を解雇して組合をつぶそうとした。現会長の豊田章男氏は当時現地会社の常務取締役として組合つぶしを指導した本人であった。
組合の粘り強い闘いに、ILO(国際労働機関)はフィリピン政府に6度も是正勧告が出されたが、トヨタは勧告を無視し続けている。トヨタのこうした姿勢が、長期争議をもたらし、現地フィリピンの労働者を長い間、路頭にほおりだし苦しめてきたのだ。現在もなお70名近い組合員が争議を継続しており、不当に奪われた仕事・生活に対する「補償」を求めている。

今回会社に提出した申入れ書にはこう書かれている。(下段からダウンロード可)
「我が労組TMPCWAは、貴社が行った組合つぶしを目指した大量虐殺にも等しい解雇に関して、そして今なお友好的解決を頑なに拒絶していることに抗議するため、フィリピンからここ日本に再度やって来ました。私たちはここに満腔の怒りをもって強く抗議します」。「大量虐殺にも等しい解雇」という言葉に、怒りの凄まじさを感じる。
記者は、面談後に東京本社前でエド委員長とジェイソン執行委員にビデオインタビューをした。エド委員長はことし55歳というが、年を感じさせない。流暢な英語を話し、凜々しく若々しかった。「25年の長期争議になりましたね。いまの課題は?」と質問すると、エド委員長は「確かに25年になった。でも長さは関係ない。私たちはたたかい続ける。問題の根源はトヨタの労働者の権利侵害にあり、正義はわれわれの側にあるからだ」と胸を張る。「現在、フィリピン政府の雇用省は私たちへの支援を強化しており、解決のチャンスはある」という。ジェイソンさんも「組合員家族は意気軒昂にたたかっている。私たちに義があることがみんなわかっている」と。
この日も応援にやってきたのは「フィリピントヨタ労組を支援する会」の仲間たち。日本の自動車産業で働き、組合活動をしてきたシニアが中心だ。彼らもこの長期間、休むことなく「連帯」と「支援」を続けている。インタビューの最後にエド委員長はこう結んだ。「日本の支援に本当に感謝している。私たちは資本家という共通の敵とたたかっている。労働者の国際連帯万歳!」と。
組合つぶしに直接関与したトヨタ豊田章男会長の責任は大きい。いくら世界の大企業トヨタでも、他国で行った悪業から逃れることはできない。もっと日本の人びとに伝えていくことが必要だろう。(M)


