認定NPOが孤独・孤立を抱える若者に医療・衛生用品アクセス調査
<竪場勝司>
孤独・孤立を抱える若者の支援活動に取り組んでいる認定NPO法人「D×P」(今井紀明理事長)は10月13日、東京都内で記者会見を開き、LINE相談を通じた医療・衛生用品へのアクセス調査の結果を発表した。過去1年間で病気やけがをした人のうち「必要な医療が受けられなかった」と回答した若者が半数以上を占め、経済的理由と保護者との関係が医療アクセスへの障壁になっている実態が浮かび上がった。
D×PはLINEを活用した相談窓口「ユキサキチャット」を運営しており、現在では22000人を超える登録者がある。これまでの相談では経済困難による食糧支援・現金給付に関する相談が半数近くを占めていたが、次に多いのは「体調・メンタル」に関する相談だった。「体調・メンタルに悩んでいても、病院に行けていない」といった相談が目立ち、背景や実態を詳しく探るため、今回の調査を実施することにした、という。

未受診の理由は「経済的な理由」が最多
調査は今年8月から9月にかけて、ユキサキチャットなどの登録者のうち13歳から25歳の若者を対象に質問を配信し、445人から回答があった。
調査結果によると、過去1年間に「受診・医療が必要と思われるほどの病気やけがをした」と回答した人のうち、「受診・治療をしなかったことがある」と答えた人が52.5%にのぼった。受診・治療しなかった理由(複数回答)としては、「お金が払えなかったから」という経済的な理由が62.0%と最も多かった。
経済的な理由で生理用品を十分に用意できなかった経験があるかを尋ねた設問については、回答者の34.2%がこの1年間に「生理用品が買えない・また希望する種類・枚数を用意できない」経験があった。
保護者との関係も医療アクセスの障壁に
医療アクセスに関する障壁は経済的な理由だけではなく、「保護者との関係」にもあることが、調査で浮かび上がった。回答の中で、保護者との関係で「受診を止められる」、「保険証を使わせてもらえない」、「症状を軽視される」、「知られたくなくて言えない」といった経験が確認された。また、保護者関連の受診障壁は、性・生殖医療に限らず、身体・精神医療にも広がっている実態も、調査結果からうかがえた。
会見では「未成年の時、親子関係が荒れておいて、病院行くと通知が届くので、心の病院は行けなかった。虐待が発覚するのを恐れて、やけどや骨折、頭に穴が空いても、病院に連れていってもらえなかった」(20代前半・女性)といった回答者のコメントも紹介された。
調査結果をもとに、D×Pでは「家庭環境や経済状況にかかわらず、こdも・若者が必要な医療にアクセスできる社会」が必要だとして、①経済的理由で、受診を断念しない仕組みを②保護者を介せない場合でも、安全に医療につながれる仕組みを、の2点を提言として発表した。 会見で理事長の今井さんは「民間なのか公的機関なのかはわからないが、保護者に頼れない子が何かしらアクセスできる場所に、医療費の立て替えとか、医療費をサポートできる仕組みができたいいなと、悩みながら私たちも考えている」などと話した。

