イベント詳細

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高橋省二(「憲法寄席」創作集団)です。

9月19日(土)15時~専修大学神田校舎7号館731教室での「『ルポ 被爆2世』刊行記念講演とトークイベント」は、憲法寄席で共に活動している生田まんじさんと私が参加している「関東被爆2世・3世の会」が企画した集いです。

『ルポ 被爆2世』(集英社新書、1010円+税)がこの7月末に刊行されました。著者は「『黒い雨』訴訟」(集英社新書)を書かれたジャーナリストの小山美砂さんです。『ルポ 被爆二世』は、6年間掛けて被爆2世へのインタビュー、運動の歴史、国や行政の資料の発掘、検証を経て書き上げられた迫真のルポです。

この本から見えてくる課題は、国・地方行政が、なぜ「被爆2世」への医療等支援の援護施策に後ろ向きなのかが見えてきます。それは戦前・戦中からの国策であるハンセン病・障がい者等への(国家、資本にとって生産価値のない遺伝をもった種は事前に断つべきだ、生まれた子への援助は認めるべきではないという考えに基づく)「偏見・差別・排除」「優性保護思想」が根底にあるのでは?と著者は読者に問い掛けています。同時に、それは著者も含めた多くの人にもそれを容認する「差別意識」の一端があるのでは、と厳しく問いかけています。

「被爆2世」当事者への取材を通して、あえて自分から「被爆2世」だと名乗ることに躊躇し、中には「寝た子を起こさないでくれ」と言われたこともしばしばあったという。これまで被爆2世の体験手記はいくつかあれども、小山さんのように真正面からこの問題を客観的で主体的に取りくんだジャーナリストは、私の知る限り皆無です。それほどこの問題は、取り上げるには難しいテーマだったといえます。

この書は、「被爆2世」以外の人にもぜひ読んでもらいたい本です。なぜなら障害をもつ親の下で生まれ育ち、遺伝子等に伴う病気を受け継いでいるのでは?とたえず不安を抱えている人は、決して少なくなく、身近な存在としてあるからです。国家はそれを親の責任として隠蔽、無視、拒絶するのでなく、誰もが安心して暮らせる社会を保障するのが国や行政の役目だと思うからです。この書には、それを考えるためのヒントが随所にあります。そして偏見・差別のない社会の実現に向けて、告発の書としてだけでなく、新たな「連帯」の輪を呼びかけているからです。