<名古屋ふれあいユニオン 鶴丸周一郎>

 日本企業のグループ会社で起きた会社清算・解雇事件と組合員の闘争、そしてその前後を描いたドキュメンタリー映画『トゥボギ』の上映会が、2026年10月12日、名古屋公会堂で開催された。前日11日からはコミュニティ・ユニオン全国交流集会を同会場で開催し、オプション企画として集会参加者が多く参加したほか、映画上映会のために地域はもとより県外から足を運んだ参加者の姿もあった。100人を超える参加者で会場は沸き返った。

 映画は闘争前から始まる。組合結成より前にすでに団結があった。団結を維持することの大変さ、素晴らしさは、運動に関わっているみなさんであればきっと響くと思う。解雇闘争では、209人で始まった闘争を209人で終結に導いた。なぜ誰も抜けなかったのか、この映画をみれば少し理解ができるかもしれない。とにかく闘争の中に笑顔があり踊りがある。

 韓国国内では社会全体、国会をも巻き込んだ運動へと発展し、組合関係者のみならず地域との一体感があった。工場を守り、ハンスト、日本への遠征闘争と、あらゆる手段を尽くした末、会社とは社会的雇用基金の拠出による解決で合意に至った。

 映画は闘争の終結で終わらない。闘争で得た社会的雇用基金を活用して財団法人トゥボギを設立し、組合員の再就職のほか、地域の脆弱労働者を支援する活動などをスタートした。ただし、韓国ワイパー分会の構成メンバーは中高年女性が多く、現実には全員が容易に再就職できるわけではない。映画では現実の困難についても触れられている。

 映画上映後、映画監督キム・スモクさんとチェ・ユンミさんにいくつか質問をしたのだが、メモしている人がいたらぜひ追加で書いてほしい。私が印象に残っているのは、撮影を始めた頃は撮影者と当事者のような関係だったのが、いまは共に闘ってきた同志になっていることだ。監督は、日本への遠征闘争の際にも、映画監督や撮影者というより分会の仲間という感じだった。闘争の中で生まれた関係は素晴らしい。

 今回はキム・スモクさんとチェ・ユンミさんだけではなく、遠征闘争に参加した多くの分会メンバーも来てくれた。みんなに一言ずつ話してもらったら、3年前にも記者会見や宣伝行動で突然マイクを向けたことを思いだした。しかしそれでもみんな笑顔でこたえてくれた。今回もそう、一人ひとり、あたたかく力強い発言だった。

 最後は当時毎日踊ったユルトンを踊り、今回の上映会は終了した。

 映画上映会に際してトゥボギからランチの提供があり、参加者みんなでランチ上映会を楽しんだ。そしてそのランチ、名古屋では「わっぱん」でおなじみのワークショップすずらんさんで用意いただいた。大好評。それから、今回の映画上映会にあたって、JILPTの呉学殊さんや通訳の加藤さん、ギリギリまで字幕の修正に取り組んでいただいた安田さんに感謝。

 舞台となった韓国京畿道安山市の労働運動には多くの学びがある。今後も日本全国での上映会開催が期待される。主催は「名古屋でトゥボギ実行委員会」、レイバー・ナウの協力。