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講演について としまるさんから一言
1941年に起きたレーン・宮沢事件という歴史的な出来事を、現代の文脈のなかで捉え直してみたいと思います。
今国会で政府は、これまで水面下で遂行してきた情報活動(スパイ活動)を、よりはっきりと前面に押し出すための制度構築に着手しました。
どこの国でも、国家安全保障に関わる政府の活動や組織の活動は民主主義的な規制が及ばない「聖域」にされ、国会も裁判所も、市民のチェックも及ばないのが当然とみなされています。
これは個人情報やプライバシーの権利保護に熱心なEUも例外ではありません。
更にやっかいなことに、かつての戦争の時代とは比べものにならないほど大規模な情報収集と監視が可能な社会になっています。
ウクライナでもガザでもイランでも、世界中の戦争でこうした監視と情報収集活動が利用されるだけでなく、日本国籍をもつ市民だけでなく移民や難民として暮す人たちもまた、この監視社会の網の目のなかに囚われた存在になっています。
映画をごらんになった皆さんと、こうした現在の状況について、法制度だけでなく、その背景にある監視社会の仕組みにも触れつつ、どのようなスタンスで立ち向かうことができるかを考えてみます。
7/18スパイ防止法を考える映画と講演の集い
日 時:7月18日(土)13:30~16:00
会 場:サンフォルテ 2階 大ホール
〒930-0805 富山市湊入船町6-7
JR「富山駅」徒歩約10分
地図→https://x.gd/Aastf
内 容:
・第一部:13:30~14:25
ドキュメンタリー映画「レーン・宮沢事件」(55分)上映
・第二部:14:30~16:00
講演:「スパイ機関創設とは何を意味するのか/危険性と問題点」
講師:としまるさん(JCA-NET)
参加費:1000円/高校生以下無料
主 催:
ジャーナリズムを考える市民連絡会とやま
シネ・ラ・セット21
問合せ:090-8701-6816
レーン・宮沢事件
「宮澤弘幸・レーン夫妻軍機保護法違反冤罪事件」ともいわれ、太平洋戦争開戦の日、スパイ容疑で北海道帝国大学の米国人教師と学生が逮捕された冤罪事件である。
敗戦時証拠隠滅を図られ、2013年の「秘密保護法案」提出を機にようやく知られるようになった。
ハロルド・レーンは熱心なクエーカー教徒で、第一次大戦の折良心的兵役拒否の立場を貫いた。
1921年、北大予科の英語教師となり、妻のポーリンとともに官舎に暮らした。
一方、宮沢弘幸は1918年東京に生まれ、北大学工学部に進学、樺太での海軍工事に参加して執筆した「大陸一貫鉄道論」が入選して満州を旅行したり、習志野の陸軍戦車学校での体験記「戦車を習ふ」を学生新聞に寄稿したこともある愛国青年であった。
1939年、北大内で心の会が発足、外国人教師や学生たちが外国語を使って議論・交流するサークルが週1回ほど開かれ、宮澤は熱心に参加して、時節柄当局から目をつけられていた。
1941年12月8日の開戦当日、治安当局は、かねてリストアップしていた宮澤ら「外謀容疑者」126名を検挙した。
翌年、「軍機保護法」違反の罪で宮澤とハロルドに懲役15年、ポーリンに懲役12年、その他の学生6人にも有罪判決が下された。
レーン夫妻は43年の第2次交換船で帰国、宮沢は容疑を認めないまま網走刑務所で服役、1945年10月に釈放されたが、事件の真相を明らかにするという望みも果たせないまま1947年27歳で結核で没した。
なお、北大は、2021年実質的に「冤罪事件」と認めた。
としまるさん
JCA-NET理事。
インターネットにおける監視社会化の問題や、ビッグテックの戦争犯罪問題などを中心に活動。毎月JCA-NETセミナーを主宰し、政府にも営利企業にも依存しないネットのライフスタイルに取り組む。
2013年まで富山大学教員。
著書に『サイバースパイ・サイバー攻撃法案批判』(daRaRevo)、『絶望のユートピア』(桂書房)など。
ブログ:https://x.gd/Un4mI
連絡先:toshi@jca.apc.org

