思想・良心の自由、表現の自由の侵害・統制、市民の自由の弾圧手段になる憲法違反の「国旗損壊罪法案」を廃案に!
6.24 衆院・内閣委員会報告/小野政美

本日、6月24日、衆院・内閣委員会「国旗損壊罪法案」審議の不十分な報告です。
◆【国会中継】衆院・内閣委員会 「国旗損壊処罰法案」について
YouTube-THE PAGE(ザ・ページ)
https://www.youtube.com/watch?v=bzFsGlwh3mM
(1)6月24日(水曜日)、午前9時半から衆院・内閣委員会で、「国旗の損壊等
の処罰に関する法律案(衆法第18号)」(以下、「国旗損壊罪法案」)の審議が始まり
ました。自民・維新・国民民主・参政の4党が共同提出した「国旗損壊罪法案」は、国
旗を公然と傷つけた場合などに、2年以下の拘禁、または20万円以下の罰金を科すとし
ています。国民民主党の要求で、損壊する映像を事後にSNSで配信する行為を処罰する
規定は削除されたが、ライブ配信は処罰の対象になります。参政党は、国旗にバツ印を
つけて抗議する行為の処罰が、付則の検討事項に入ったとして法案の共同提出に加わり、
国民民主党も共同提案に加わりました。
国旗損壊罪の創設は、高市早苗首相が持論としてきた法案であり、国会は権力者の意向
に引きずられることなく、衆参両院の法制局や憲法学者、刑事法学者らから意見を聴き
「国旗損壊罪法案」を相当の時間をかけて審議すべきものです。
(2)衆院・内閣委員会の審議では、自民、日本維新の会、国民民主、参政の4党が共
同提出した日本国旗損壊罪法案の趣旨説明を行いました。審議は、趣旨説明提出者・松
野博一氏(自民)、参考人出頭要求に関する件の質疑、金澤結衣氏(自民)、階猛氏(
中道)、長妻昭(中道)、後藤祐一氏(中道)、西田薫氏(維新)、森ようすけ氏(国
民)、川裕一郎氏(参政)、高山聡史氏(みらい)、畑野君江氏(共産)により行われました。
趣旨説明で自民の松野博一議員は、国内で過去、国旗が損壊された3つの事例に加え、
交流サイト(SNS)の普及に触れ、「事案発生を将来に向かって抑止する必要がある」
と強調し、「国旗を大切に思う国民感情を保護するため処罰規定を設ける法案を取りま
とめた」としました。
(3)「中道改革連合」幹事長の階猛議員は、「国旗損壊罪法案は、(国旗を)尊重
する思想を、刑罰をもって強制することになり、憲法の思想信条の自由に反するのでは
ないか」、「国旗損壊罪法案は、表現の自由という、最も重要な民主主義を支える人権
が侵害されたり、また政治的主張の機会も制限されたりということで、厳格な明確性が
要求される」、「国旗損壊罪法案は、人に著しく不快感や嫌悪感を抱かせるような方法
で日本の国旗を傷つけることなどを処罰の対象にするものである」、「処罰範囲が不明
確だ」などと質問しました。
(4)野党議員の質問に対して、与党の自民党、維新の会などの「国旗損壊罪法案」
共同提出の議員は、「立法事実はあるのか」と問われて、国内に具体的なものはないが
、諸外国での「国旗損壊」のじれから「予防的立法事実」があると答えました。日本国
内に立法事実がないにもかかわらず、「予防的」なる「立法事実」をもって説明するな
ぞあってはならない法案であることを証明したものです。
(5)また、処罰対象に関して、「国旗が実際に傷つけられ、公然と行われた行為に
限定する形で処罰の対象にする」、「公然性や外形的な行為の中で著しく感情を害する
という構成要件で限定をかける」などと、表現の自由への配慮規定も設けたと主張しま
した。
人権保障の大原則である罪刑法定主義は、刑罰を法で定めることだけを意味するので
はなく、処罰の対象になる行為を明確に定めることが不可欠ですが、本日の衆院・内閣
委員会の審議の与党議員の意見では、犯罪構成要件や明確性についても、客観的判断の
明確な基準は示されませんでした。不快感や嫌悪感を処罰の理由にした上、「総合的に
勘案」して判断するというのでは、およそ刑罰法規としての明確性を欠くものであり、
「国旗損壊罪法案」は、内心の自由、表現の自由、罪刑法定主義。憲法の根幹である人
権の保障に反することが明らか法案です。「国旗損壊罪法案」が成立すれば、当局の意
向でどのようにも使うことが出来、思想の統制、表現の自由の侵害、市民の自由の弾圧
の手段になります。
(6)本日の衆院・内閣委員会の審議でも、与党議員は、「国旗損壊罪法案」、「著
しく不快または嫌悪の情を催させる方法」で、公然と国旗を損壊、除去、汚損する行為
を処罰する。意図や目的は問わず、行為の外形や状況を総合的に勘案して判断する」と
定めた法案について、具体的な説明をすることなく、抽象的な説明に留まりました。国
家の権威を象徴する国旗をあえて燃やしたり、破ったりすることは、それ自体が国家や
政府に対する強い異議を表現する行為です。表現の意図や目的を問わなくても、乱用を
防ぐための厳格な縛りもなく、処罰の対象とすることそのものが内心の自由を圧迫し、
政治的な意見の表明を封じることにつながるものです。
(7)内心の自由を圧迫し、政治的な意見や芸術的な表現の表明に対して刑罰を科す
ことは、国家による最も強力な権力の行使になるものです。「国旗損壊罪法案」の趣旨
説明のように、不快感や嫌悪感といった主観による処罰を可能にするならば、思想・良
心の自由、言論・表現の自由への抑圧は大きく広がっていくことになります。
(8)明日6月25日(木曜日)は、8時過ぎに衆院・内閣委員会の理事会、8時5
0分から、与野党推薦の参考人質疑が行われ、6月26日(金曜日)に、衆院・内閣委
員会で、「国旗損壊罪法案」の審議が再度行われたあと、内閣委員会での採決が行われ
る可能性があります。
そして、早ければ、6月30日(火曜日)か7月2日(木曜日)には、衆院本会議で
の審議・採決を強行して、参議員・内閣委員会に送られる予定です。「国旗損壊罪法案」
は、与党の自民・維新の会のほか、野党の参政党と国民民主党も共同提出に加わって
いるために、7月17日の国会会期末までに今国会で成立する公算が強まっています。
明日6月25日以降も、多くの人々が、衆院・内閣委員会の審議を監視し、「国旗損
壊罪法案」の廃案を目指して声を上げ続けることが必要です。
◆「国旗損壊罪」抗議・連続アクション
主催:「国旗損壊罪」反対連絡会 問合せ:nosonkaizai@gmail.com
nosonkaizai@gmail.com
*6月24日(水)9時~12時 衆議院第2議員会館前(終了)
*6月25日(木)9時~12時 衆議院第2議員会館前
*6月25日(木)19時30分~20時30分 首相官邸前
*6月26日(金)9時~12時 同上
よろしくお願いいたします。お元気で。再見。

