7月17日午前10時半過ぎ、「国旗損壊処罰法」が賛成多数で可決、成立しました。
「国旗等損壊罪」反対連絡会」は、本日、以下の声明を発表しました。(小野政美)
<抗議声明>憲法違反の「国旗損壊罪法」の強行成立に抗議する!
2026年7月17日「国旗等損壊罪法」反対連絡会

2026年7月17日午前10時半過ぎ、参院院本会議で、「日本国旗損壊罪法案」法案が、自民・維新・参政党・みらいにより賛成多数で成立した。4党が、衆参内閣委・本会議での短時間審議で強行採決したことに抗議する。私たちは、主権在民無視・人権侵害・民主主義破壊の暴挙を決して許さない。
「国旗損壊罪法案」は、「外国国章損壊罪」に対して自国の国旗に損壊罪がなく、「法的な不均衡を正す」とし、国旗を公然と傷つけた場合等に、2年以下の拘禁、または20万円以下の罰金を科す。国旗損壊罪の創設は、高市早苗首相が持論としてきた法案である。立法事実や必要性を欠き、諸外国の事例から「予防的立法事実」があり、「保護法益」は、「国旗」を尊重する「国民感情」を損壊し、「国家の威信と名誉」を傷つけると主張した。立法趣旨を「国旗を大切に思う国民感情を保護」としたが、国家に批判的な人びとの表現行為を封殺し、「思想・良心の自由」・「表現の自由」の侵害である。刑罰を科すにも拘らず、犯罪構成要件や明確性の客観的判断の基準は示されなかった。対象の基準を「人に著しく不快または嫌悪の情を催させる」行為と規定して、恣意的に解釈され市民の表現の萎縮を目的とするものである。
国会審議では、4党は、参考人の憲法学者・刑事法学者の立法事実も保護法益もなく、「罪刑法定主義」に違反、「憲法法理を破壊し事実上の憲法改正になる」、「憲政史上初めて、政府批判を禁止する法案である」などの意見を聞くことはなかった。
主要7カ国(G7)の独、伊、仏などには自国の国旗侮辱罪があるが、「国旗を大切に思う国民感情を保護する」とは言っていない。ドイツの国旗は、ナチス政権下での国旗(ハーゲンクロイツ)を否定した自由民主主義的法治国家の国旗である。イタリアも戦後、共和制の下でイタリア国旗が正式決定された。国旗に対する侮辱は、共和制ないし民主主義体制への挑戦という意味を持つ。
「日の丸・君が代」強制は、侵略戦争と植民地支配の道具となり、日本国内の外国人や植民地支配下の人々への差別意識・排外主義を強化した。「国旗損壊罪法案」は、侵略戦争と植民地支配の歴史を反省せず、「思想・良心の自由」、「表現の自由」などの自由と人権、人びとの尊厳を侵害するものである。また、法案は、「旗や象徴に対する不敬」に、「厳しい処罰を科してはならない」と明記され「国際自由権規約」に違反している。
「国旗損壊罪法案」の成立により、「日の丸・君が代」の強制が、学校等での教職員、子どもたちへの強制から市民社会全体への強制に広がっていくことになる。戦前の「日の丸・君が代」は、国家主義を強化し、侵略戦争のために国家への愛国心・忠誠心を強制した。
「国旗・日の丸」の損壊を犯罪とし、敬意の義務付けにより、民主主義は否定され全体主義に陥る。教育現場・学術・文化芸術、社会全体の同調圧力・委縮効果が拡大し、監視・通報・密告などにより人々は表現を控えるだろう。1999年の「国旗国歌法」制定以降、「日の丸・君が代」を、教育現場に強制し、子どもたちや教職員の思想・良心の自由を侵害してきた。「国旗損壊罪法」の制定は、学校で、教職員に「日の丸・君が代」を強制し、従わなければ処分したことを日本社会全体に社会化するものである。
私たちは、「国旗等損壊罪法」反対連絡会を結成し、5万人超の反対署名を集め、国会前等で抗議行動を行ってきた。多くの市民団体、日弁連や弁護士会、刑事法研究者、「日本ペンクラブ」、「自由人権協会」、「日本歴史学協会」など多くの団体が徹底審議、廃案を求める声明を出し、廃案を求める声が広がってきた。私たちは、「国旗損壊罪法案」の強行採決に断固抗議し、「国旗損壊罪法」の危険な狙いを監視し、思想・良心の自由、表現の自由の侵害・統制する法に抗議する行動を継続していく。私たちは、全国各地で、屈せず、挫けず、諦めず、粘り強く、全国各地のさまざまな立場の皆さんと共に闘う決意である。


