1次キャンペーンの総括で会見、統一地方選見据え2次キャンペーンへ

<竪場勝司>

 外国人の人権問題に取り組む団体でつくる「ヘイトにNO! 全国キャンペーン」は7月28日、参議院議員会館で記者会見を開き、差別禁止法の制定などを求める、20万筆を超える署名が集まったことを発表した。今年の秋以降は、来年の統一地方選でのヘイト的言動の防止などを見据えて、「第2次キャンペーン」を展開することにしている。

全国各地で50を超える取り組み、運動に広がり

 同キャンペーンは移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)、外国人人権法連絡会。フォーラム・平和・人権・環境(平和フォーラム)など11団体が呼びかけ団体になり、今年2月から活動を開始した。これまで、全国各地で集会やスタンディングなどで50回を超えるイベントを開催してきた。集まった署名は20万5722筆に達している。

 会見で移住連共同代表の鳥井一平さん(写真中央)は、キャンペーンのきっかけになった、「官製ヘイト」の横行に触れ、「これによって外国籍当事者の人たちは非常に不安に苛まれている」と指摘。「全国各地を回って、本当に意を強くした。日本語教室にボランティアの市民として来ている人たちが非常に憂いているのは、教室に通っている外国籍の人たちから『本当に、帰るしかないのでしょうか』といった相談を受けていることだった。ボランティアの人たちが『これからの社会はこの人たちがいないと成り立たない。彼ら(外国籍の人たち)は地域の一員だ』という実感を持って生活しているのを、改めて感じた。今回の活動でつながった広がりを、さらにつくっていきたい」と取り組みを振り返った。

 鳥井さんは、全国キャンペーンの取り組みをきっかけに群馬県に「多文化共生社会の実現をめざす群馬連絡会」が結成され、知事に要望書を提出する活動につながったことについても紹介した。

地域のヘイトを止める

 続いて、労働組合が中心となっている平和フォーラムの共同代表、染裕之さんは、職員採用にあたって国籍要件を見直す三重県の動きに対して、自治労三重県本部が交渉申し入れをしたことに触れ、「官製ヘイトへの取り組みについて、第1次キャンペーンの中で一定の成果があった」と語った。

 最後に外国人人権法連絡会の師岡康子弁護士が、今後の取り組みについて報告した。師岡さんは「来年4月に統一地方選があり、そこでまた選挙ヘイトが行なわれるだろうことは十分予想できる。地方でヘイト議員が増えてしまうと、地域の中から差別が広がり、外国籍の住民の苦しみがさらに悪化してしまう。それをどうやって止めるかが、私たちに共通の課題だ」と指摘した。取り組みの例としては、選挙ヘイトに対しての働きかけ、実効性が弱いヘイトスピーチ解消法の抜本的改正を求める、地方で川崎市の条例のように具体的にヘイトを止める条例作りを進める、ことなどを挙げた。

 質疑応答で「20万の署名が集まったことの意義」を問われた鳥井さんは、「多くの人々がより良い多民族・多文化共生社会を求めていることが示されたのではないか。私たちの運動にまだまだ不十分なところはあるし、声なき声をもっと形にしていくことが求められていることが、20万の署名が私たちに示している」と語った。