今年のヤスクニ・キャンドル行動が、8月9日午後、東京・文京区民センターで開催された。3階の会場は溢れんばかりの人たちで埋まっていた。これまではほとんどがシニア層だったが、今回は、韓国・日本からの若者の参加が目立った。手に手にペンライトやデモグッズを身にまとっており、カラフルで賑やかな集いになった。

 「ヤスクニ・キャンドル行動」は、2006年8月小泉首相のヤスクニ参拝に抗議する運動からスタートした。ことしでちょうど20年になる。実行委員の野平晋作さんは開会挨拶でこう語った。

 「小泉政権は有事法制を制定し、アフガン・イラクへの自衛隊派遣を行った。戦死者の慰霊場所としてヤスクニの復活が懸念された。そのとき、日本・琉球沖縄・韓国・台湾の4地域の市民が実行委員会を立ち上げてヤスクニ反対が始まった。8月の大行動ではのべ4000人が参加した。いま軍拡・改憲・中国敵視の高市政権は、日本を明確に戦争する国に変えようとしている。自衛隊戦死者の顕彰施設としてのヤスクニの復活が懸念されている。靖国には264万の戦没者が“英霊”として祀られていているが、それは欺瞞であり戦争の真実の隠蔽だ。今年のヤスクニ・キャンドル行動は、靖国神社を二度と戦没者顕彰施設にさせない、過去の理不尽な無断合祀を許さない、これらのことを訴えていきたい」と語った。

 シンポジウムでは、「靖国の『英霊』-様々な戦没者、そのさまざまな死にざま」をテーマに、高橋哲哉、石原昌家、許美善、中島光孝の各氏が20分のミニ講演を行い、ヤスクニの問題を明らかにした。続いて、李熙子(イ・ヒジャ)さんはじめ、韓国の靖国合祀撤廃訴訟提訴の報告があった。

 当時、朝鮮半島から約24万人が軍人・軍属として動員され、約2万人が死亡したが、靖国神社は遺族の意向を確認せず勝手に合祀している。これに対し遺族やその子孫らは、国や靖国神社に対して合祀の取り消しや損害賠償を求める裁判をたたかってきた。2025年最高裁は「除斥期間が経過」を理由に却下した。しかし、いま韓国人の孫たちが新たな裁判を起こしている。

 その後集会では、日韓の若者が十人近く登壇し「戦争反対、ヤスクニ反対」の思いを一言ずつ、リレートークした。またアピールグッズの紹介があったが、そのユニークさと表現力に韓国のデモパワーを身近に感じることになった。

 閉会挨拶にたったのは、共同代表のソスンさん(写真)。「ヤスクニキャンドルは20年やってきたが、私も80歳を超えた。この間、コロナがあったりで参加者が減り、もう終わるかと思ったこともあった。でもきょう若者がたくさん集まってきた。力強く感じた。画期的だと思う。靖国神社は日本軍国主義の核心にある軍事施設であり、戦争神社である。いま日本が再び軍国主義に向かおうとするなかで、私たちの運動はとても重要だ。頑張っていこう」と呼びかけた。

 その後、参加者は靖国神社に向けてキャンドルデモを行った。東京の街頭に「戦争反対、ヤスクニ反対、無断合祀反対」の声を響き渡った。(M)