
<堀切さとみ>
10月28日、日本郵政本社前(東京・大手町)で、郵便局過労死家族とその仲間たちの呼びかけで、抗議行動が行われた。公共を担う郵便局で、なぜこんなにも過労死、過労自死がなくならないのか。北海道から大阪まで、全国から当事者、支援者が集まった。

一昨年の8月、武蔵野郵便局で息子の淳さん(享年48)を亡くした飯島さんご夫妻は、いま、損害賠償請求を闘っている。淳さんは27年勤めた武蔵府中郵便局から突然、2023年に武蔵野郵便局に異動になった。配属されたその日から、人手不足のため休憩も昼食をとることもできないまま働かされた。担当地区の熟知には一年かかると言われているのに、3ヶ月で配達範囲を広げられた。

10キロも痩せて帰ってきた息子に、やめることを勧めると「他の人が困るから」と。猛暑の中、2024年7月に淳さんは狭心発作を起こす。それでも救急車を呼ぶこともなく仕事をさせられ、残業までやって、11日後に帰らぬ人となった。
母親の登茂子さんは言う。「武蔵野郵便局で起きたことは、事件ではなく実験だ。ここまで仕事をさせればこうなるという、実験をやられたんだと思っている」。過労死、自死は誰にでも起こりうる。郵政が考えをあらためない限り、働かせ方を変えない限り。いつになったら巨大なビルのオフィスに、この声は届くのだろうか。

