2026年10月20日 ルイス・フェリス・レオン(レイバーノーツ・スタッフ/オルグ)

【解説:アメリカの中間選挙が11月3日に迫ってきている。今後2年間のアメリカ政治の行方を決定づけるだけではなく、世界の政治状況にも大きな影響をおよぼす選挙に注目が集まっている。アメリカの労働組合は各地でトランプ政権による選挙妨害と闘いながら中間選挙へを取り組みを展開しつつある。レイバー・ノーツ誌11月号はその中からニューヨーク市での新たな取り組みを紹介している。 レイバーネット国際部 山崎精一】 

10月15日、ニューヨーク中央図書館前に民主的な選挙を守るために集まった組合員たち

100万人の組合員を代表するニューヨーク市労働組合評議会は、11月3日の中間選挙を前に投票権を守るため、10月15日に新たな共闘組織を結成した。組合員1000人が市の中央郵便局前で集会を開き、トランプ政権の干渉から選挙を守るために労働運動を結集することを誓った。

集会には、北米レイバラーズ労組の第78ローカルと第79ローカル、ホテル・ゲーム産業労働組合評議会、全米サービス従業員労働組合(SEIU)32BJローカルに所属するビル管理・空港労働者、SEIU 1199ローカルに所属する医療従事者が大挙して参加した。このほかにも、通信労働者、看護師、劇場従事者、自治体職員、小売業労働者、郵便労働者、電気工、食料品店の労働者、事務職員、塗装工など、さまざまな職種の組合員が参加した。

ニューヨーク市労働組合評議会が始めたこの共闘組織は、「私たちの声、私たちの一票、私たちの民主主義」と名付けられ、組合員と地域の人々に平和的な抗議行動への参加を呼びかけ、有権者への威嚇行為を記録することを目的としている。取り組みが発表されたのは、「ノー・キングス(王はいらない)」連合が期日前投票を促すために全米で3000件のイベントを開催した10月17日の直前だった。

SEIU 32BJローカルのマニー・パストライク委員長は、『レイバー・ノーツ』に寄せた声明で、「私たちは民主的で公正な選挙を求めています」と述べた。「選挙妨害が起こる可能性に備え、労働組合は自分たちの権利を学ぶ研修を数十回開催し、数百人の投票監視員を組織し、迅速に対応するためのネットワークを構築してきました」

32BJローカルは、ロングアイランドとハドソンバレーの接戦選挙区で投票所を監視するために組合員を動員する。パストライク委員長はさらに、トランプ大統領が違法な行動を取った場合、労働組合は市民的不服従の行動に踏み切る用意があると述べた。

3月、トランプ大統領は、各州が郵政公社に提出する有権者名簿に記載された人を除き、郵便投票を禁止する大統領令を出した。しかし9月、裁判所はこの大統領令の実施を差し止めた。

トランプ政権はまた、下院では可決されたものの上院で阻止された有権者資格保護(SAVE)法案を通じて、投票機会を制限しようとした。この法案は、オンラインと郵送、自動車登録・運転免許の窓口での有権者登録を禁止し、有権者に対してパスポートまたは出生証明書による市民権の証明を義務付け、改姓した女性には併せて婚姻許可証の提出も求めるものだった。

郵便局の階段で開催された集会では、アメリカ郵便労働者組合(APWU)ニューヨーク都市圏ローカルのジョセフ・マーティア委員長が、「誰の郵便局だ? 私たち市民の郵便局だ!」と、集まった人々のシュプレヒコールを先導した。

マーティア委員長によると、前回の選挙では4800万人の米国民が郵便で投票した。軍務に就く人々、学生、障害のある人々、客室乗務員、高齢者にとって、郵便投票は「単に便利なもの」ではなく、「私たちの民主主義に参加するための不可欠な手段」だと訴えた。

「私たち郵便労働者は、信頼される公共サービスの担い手です」と、マーティア委員長は述べた。「民主党の郵便物や共和党の郵便物を配達しているのではありません。米国の郵便物を配達しているのです。郵便投票は、特定の政党のために行われているのではありません。何世代にもわたって、私たちの選挙制度の一部であり続けてきました。だからこそ、私たちは問わなければなりません。郵便投票制度が機能しているのなら、なぜ共和党政権はあらゆる手を尽くして制限しようとしているのでしょうか」