としまるです。以下JCA-NETの声明を紹介します。ぜひお読みください。


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総務省によるネット遮断要請は容認できない。直ちに
撤回し、通信事業者は違法なネット遮断に応じるべき
ではない

JCA-NET理事会
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2026/10/31

1 総務省によるアクセス遮断要請とは
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報道機関各社は、GMOへのサイバー攻撃に関連して、総務省が通信各社に漏洩
されたと疑われる個人情報が掲載されたウェブサイトへの接続遮断を要請した
と報じている。

私たちはこの件について、メディア報道を基に総務省にも問い合わせたが、一
切の回答を拒否された。そのため総務省が具体的にどのような遮断要請をした
のか、要請先とされる業界団体がどこなのかなど、基本的な情報すら把握でき
ていない。

ネット遮断とはどのような方法で行なわれるだろうか。特定のサイトへの遮断
措置のためには、通信事業者は以下の対策をとることになる。

(1)アクセス遮断対象のサイトを特定する。
(2)インターネットのユーザーがこの遮断サイトにアクセスするかどうかを常
時見張る
(3)もし遮断対象のサイトにアクセスしようとした場合は、アクセスをさせな
い措置をとる

2 「通信の秘密」に対する侵害行為
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いったん流出した個人情報の拡散を阻止する方法はない。遮断措置をとるため
には、ネットを網羅的に監視し、流出個人情報が含まれているかどうかを確認
する必要がある。このためには、政府や通信事業者による通信情報の収集・監
視を許すことになり、インターネットを利用するユーザーの通信の秘密を侵害
することになる。

憲法の規定を踏まえて電気通信事業法4条で「電気通信事業者の取扱中に係る
通信の秘密は、侵してはならない。」と明記している。

総務省は通信の秘密の範囲を以下のように解説している。

- 通信の秘密の保護の範囲は、通信の内容のほか、個別の通信に
係る通信の日時・回数、発受信場所、通信当事者の氏名・住所・
電話番号等を広く含むと解されます。
- 例えば、インターネット接続サービスの通信履歴や電話の通話
履歴は、通信の秘密の保護の対象となり得ます。

通信事業者は、通信の秘密で保護されている通信情報を把握し利用者の通信状
況を監視し、特定のサイトへのアクセスを察知し、遮断することになる。この
ため、こうした行為は通信の秘密を侵害することになる。このことを総務省は
承知した上で、通信事業者に、法律で禁止されている通信の秘密の侵害行為を
唆す要請を出した。

3 2億6000万の漏洩個人情報へのアクセス遮断!?
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個人情報保護委員会は、GMOに限らずこの間の個人情報漏洩は延べ2億6000万に
のぼると報告している。GMOの事案での個人情報流出先へのアクセス遮断し、
それ以外の事案では遮断措置ととらないということには合理的な説明がつかな
い。

とすれば、GMOの事案は入口に過ぎないともいえる。2億6000万すべての事案を
対象に流出個人情報へのアクセス遮断を実施する方向へと向う懸念がある。た
とえ実効性のある対策が「不可能」にみえたとしても、政府や通信事業者によ
る通信情報への網羅的な監視体制だけは残されることになりかねない。

4 アクセス遮断の政治的な文脈―網羅的な通信監視と統制強化
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総務省による確信犯としてのネット遮断という違法行為の唆しは、安全保障政
策の一環としての通信事業者に対する通信情報提供体制、そして「無害化措置」
などサイバー攻撃の文脈のなかで捉える必要がある憂慮すべき事態である。ア
クセス遮断措置は、通信の秘密に関連する法制度の形骸化を招く。また、「サ
イバー攻撃」「不正アクセス」問題を通信事業者を巻き込む網羅的な通信監視
体制構築につながり、政府による情報通信環境に対する統制強化に繋りかねな
いことを危惧する。

5 通信の秘密は私たちの譲ることのできない人権だ
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政府によるネット遮断は世界各国で頻繁に起きている憂慮すべき事態だ。世論
の合意が得やすい事案を突破口に、徐々に治安監視や政治的な弾圧の手段へと
変質することも少くない。インターネットが社会インフラとなっている現在、
私たちの通信の秘密の権利は、言論・表現の自由、思想信条の自由など民主主
義の根幹をなす諸権利を支えるものであり、私たちの譲ることのできない権利
であることを改めて強調したい。

6 私たちの要求
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以上から、私たちは、総務省および通信事業者に対して以下を強く求める。

- 総務省に対して、通信事業者に対する要請を直ちに撤回すること
- 通信事業者団体等、総務省の要請を受けた通信事業者は、通信の秘密を厳格
に遵守し、総務省等による違法な要請には応えるべきでないこと
- 総務省は通信事業者に対する対策などについて、情報を公開すること。

参考日経:GMO攻撃者側サイト、総務省が強制遮断要請 通信各社に
<https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA292570Z21C26A0000000/>

朝日:総務相、GMO脅迫サイトの遮断要請を明らかにせず「進行中の事案」
<https://digital.asahi.com/articles/ASVBZ0CD7VBZULFA02JM.html>

サンケイ:政府、脅迫サイト強制遮断を通信各社に要請 GMO不正アクセス受
け異例の対応
<https://www.sankei.com/article/20261029-6JCJ6WDAXNPHHELAIBGDC76ST4/>

総務省「通信の秘密(電気通信事業法第4条)FAQ」
<https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_syohi/th_faq.html#qa1-1>

個人情報保護委員会:最近の不正アクセスによる個人データの漏えい等の傾向
<https://www.ppc.go.jp/files/pdf/261028_sankoushiryou-2.pdf>

accessnow: #KeepItOn
<https://www.accessnow.org/campaign/keepiton/>

この声明についての問い合わせ先
としまる(JCA-NET理事)
toshi@jca.apc.org 070-5553-5495

*JCA-NETウェブサイト