左から「ささきゆみ、馬場朋子、しまひでひろ」の各氏

しまひでひろ(パーソナリティ)

第34回の「あるくラジオ」(7月4日放送)は、「巨大都市 東京の闇」をカメラに収め3冊の写真集「UNDERRATED」を発行した馬場朋子さんをゲストに迎え、ドキュメンタリーの可能性そして撮影するときの豊かなを経験を聞くことができた。

馬場さんは「写真家と呼ばれることには抵抗がある」と話し始めた。「私は労働者なんです、それも下層の。そこから写真を撮る人」だと自分を語る。なぜドキュメンタリーに惹かれたのか。『人らしく生きようー国労冬物語』(松原明・佐々木有美作品、2001年公開)をみて感動して、私もドキュメンタリーを撮りたいと思い、挑戦しはじめた。祖父の中国戦線での経験を聞いてぜひ映画にしたいと思い、撮り始めたのもそのひとつ。けれどもなかなか難しくて作り終えないで挫折した。その後もいくつか試みたけれどうまくいかない。そこでスチールならと考えて、路上スナップに方向を変え、そこから今の活動に進んでいる。

馬場さんの語りは、ハキハキとして本当に聴きやすい。耳に馴染むかたり口というのだろう。ぜひ聞いてみてほしい。そして写真を見てほしい。

「写真家であるよりは、自分は労働者なのだ」との言葉には聞き手の方が感じ入ってしまった。いまの時代が、かつてのプロレタリア芸術運動のときに重なってきたのだろうか。そんなことも考えさせてくれるインタビューになった。

夜の電車のなか、一人で寂しげに立っている少年の表情がドア越しに捉えられている。何気なく撮られたように見える。が、電車の停車した瞬間にホームから車内の少年を写すのは簡単ではない。巨大都市の翳りがそこに浮かび上がり、見るものを考えさせる。写真集にはそんな表現が詰まっている。「自分のために写してきた写真」は、他人を励まし考えさせる写真でもある。ぜひ放送を聞いてください。

小型カメラ(リコーデジタルG R)を駆使して新しい表現に挑戦している馬場さんへの期待はさらに高まる。

*7月25日のレイバー映画祭(板橋グリーンホール)で写真集「UNDERRATED」を販売します。2000円。(レイバーネット事務局でも取扱い中。こちらから